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【11/30開催】オフィスツアーレポート(京都企業2社×京都芸術大学歴史遺産学科)

こんにちは!京都市わかもの就職支援センターです。

今回は、2022年11月30日(水)に開催した、京都芸術大学歴史遺産学科の学生(12名とキャリアデザインセンター職員1名)と巡ったオフィスツアーの様子を皆さまにお届けします。

オフィスツアーとは?

京都市わかもの就職支援センターが行う「オフィスツアー」。このイベントでは、学生が京都企業のオフィスに実際に足を運ぶことで、普段就活ナビサイトで企業の情報を収集しているだけでは得られない「リアル」な企業の姿を見ることが出来ます。
オフィスツアーに参加することにより、仕事の魅力や働くことへの理解を深められ、今後の就職活動や自身のキャリアデザインについて考え行動につなげることが可能になります。

今回は、日本の伝統文化や文化財の保存修復などを学ぶ京都芸術大学歴史遺産学科の学生さんを京都企業2社(株式会社森本錺金具製作所様・株式会社松栄堂様)にお連れした「オフィスツアー」の様子をお届けします。

早速オフィスツアーに行ってみましょう!

1社目 株式会社森本錺金具製作所(もりもとかざりかなぐせいさくしょ)

『日本の優れた伝統文化を次世代に伝え残そう!』
明治10年(1877年)創業以来4代に渡り、宮内庁、文化庁、神社庁御用達にて、昔ながらの手仕事による優れた伝統技法を受け継ぎ、錺金具製作・修理一筋に専念してまいりました。選定保存技術認定。

京のまち企業訪問でのご紹介ページ▼ 

ツアーは、展示室での会社説明(会社の歴史)→オフィス見学(展示室/工房へ2グループに分かれて実施)→展示室に戻り質疑応答という流れで行われ、代表の森本さんにご案内いただきました。

会社説明(会社の歴史)

株式会社森本錺金具製作所は、明治10年創業。法隆寺をはじめとする寺社仏閣などの錺金具を製作・修理されており、御神宝等に関わるので高い技術が必要とされるお仕事です。

昔は「技を見て盗め!」といった職人の世界でしたが、今は丁寧に技術を教えておられるそう。

森本さんも若手のころ、終業後にこっそり技術力が高い職人の道具を使ってみたことがあったそうですが、「道具の良し悪しではなく、経験で身についた技術力の差」であったことを知ったそうです。

展示室にて会社の説明を受ける様子。

「信仰の延長」のものを作っているので、時間と心を込めて形にするのが基本。他の製造業と大きく違うのはこの部分の様です。

森本さんは、昔から「良いものを見なさい」と言われていたと語ります。目を肥やすことで、技術力の高さに気づけるようになるとのことです。

オフィス見学(展示室/工房)

展示室の見学▼

巫女さんが使用する鈴の音色を「プレス」と「手仕事」で違うのか比べました。

展示室では「格付けクイズ」を行いました。どちらが「プレス」で、どちらか「手仕事」のものか?

このクイズには半分くらいの学生が正解。

(左)プレス(右)手仕事で制作したもの

右側のものが「手仕事」で制作したものですが、こちらの方が線が入っておらず綺麗な仕上がりに。「手仕事」の技術の高さを知る機会になりました。

工房の見学▼

神社の錺金具を修理している様子を見学

展示室で比較した巫女さんの持つ鈴を作られている様子も見せていただきました。

巫女さんが持っている鈴

手仕事の方が綺麗な音色でした!


質疑応答

質疑応答の時間では、修復系のゼミに所属する学生や、卒業研究に関係のある内容を調べている学生がいたことから積極的に質問が出ていました。


2社目 株式会社松栄堂(しょうえいどう)

『香りある豊かな暮らしを提案し続けます』
松栄堂の創業は今から300年ほど前。以来12代目に至る今日まで一貫して薫香製造を生業としてまいりました。伝統に培われた豊かな経験値・情報力・技術力…そこから生み出されるのは、宗教用の薫香をはじめ、茶の湯で用いる香木や練香、お座敷用の高級線香や手軽なインセンス、匂い袋など「香百般」です。いろいろな場面でお使いいただける香りをご提案し続けています。

京のまち企業訪問でのご紹介ページ▼ 


ツアーは、薫習館5Fホールでの会社説明→オフィス見学(オフィス/本店/香房/薫習館)→ホールに戻り芸術大学出身の若手社員の話→質疑応答という流れで行われ、企画事業部の秀島さん・中本さん・末延さんにご案内頂きました。

※薫習館(くんじゅうかん)とは…日本の香り文化の情報拠点として2018年7月に設立されました。
訪問時には大学生等の年齢層の来館者が多く、今回ツアーに参加した学生の中にも、既に訪れたことのある人が数名いました。


会社説明

株式会社松栄堂では、お香の製造から販売まで一貫して行い、驚くことにお香の原料調達まで自社でされています。

会社説明をする中本さんのお写真

「お香は暮らしの必需品とまでは言えないが、生活の中に香りがあると暮らしが豊かになる」といった言葉はとても印象的でした。


オフィス見学(オフィス/本店/香房/薫習館)

立ち席のミーティングスペース、香りに関する本がずらっと並んだ本棚、仕事の中で見つけた改善点を挙げ解決していくボードなど、オフィス内にも工夫がたくさんありました。

松栄堂本社内の「香房」をご案内いただきました

また、香房ではお香が出来上がる様子を見学。普段目にしているお線香ですが、出来上がる工程では、非常に柔らかく曲がりやすいものになります。そのため、しっかりと伸ばした状態で乾燥させ、検品・包装などの工程を経て、店頭へ並べられます。

オフィス見学の詳しい情報はこちらの記事から▼


芸術大学出身の若手社員の話

お話頂いたのは、企画事業部の末延さん。

松栄堂の事業はお香の製造・販売だけではなく、お香の魅力を伝えていくことも大事な仕事の一つです。その役割を担当しているのが、末延さんが所属している「企画事業部」になります。

企画事業部では香りやお香の魅力を広めるためのイベント企画やカタログのデザイン、SNSやホームページの運用、採用に至るまでを担当。

言葉や文章、写真など1つ1つが松栄堂のイメージに関わるため、慎重・丁寧に作り上げることを心掛けているそうです。

学生からの出た質問▼

学生「普段から色んなもの・ことの情報収集をされているんですか?」
末延さん「業務時間は有限。限られた時間の中でアイデアを出すことも必要なので、アイデアの源になる情報収集には普段から常にアンテナを張っています」

学生「なぜ松栄堂へ入社しようと思ったのですか?」
末延さん「就職活動の軸の1つに『働いている人の人柄』がありました。松栄堂の説明会に参加した際、社長が若手社員の名前を呼んでいるところを目撃し、心の距離の近さに魅力を感じ志望しました」

学生の質問に回答頂いている様子

参加学生の声▼
株式会社森本錺金具製作所)
・寺社仏閣・祭礼行事に関する金具以外に、JRの電車のルームプレートや衝立など、日常で見られる金具も制作しているのはとても興味深かった。職人さんに気になったことがあればなんでも教えてくれると社長が仰っていたように「それは何をしていらっしゃるんですか」という初歩的な質問にも全てお答えしていただけた。制作済みの金具も多く持ってきて下さり、どこのどういうものなのかという詳しい話も全て教えてくださったのがとても印象に残っている。
・魚々子(ななこ)と呼ばれる細かい模様だったりとても綺麗な金属の光沢が全て手作業で行われていてこんなに美しくなるのかととても感動しました。
・手作業で表面が研磨してあるのが何年経ても輝いたままということが驚きでした。

株式会社松栄堂)
・社内を歩いて見て回ることで、会社の実際の雰囲気がとてもわかりやすかった。
・会社内でのコミュニケーションに重きを置かれていて、とても良い雰囲気の会社だなと思いました。お香といってもいろんな世代の人に知って貰えるような催し等をされていて、自分もこんなものがあるのか!と、とても気になりました。
・最後の締めの言葉で仰られた「学んだことを活かせるかではなく活かすと思うことが大切」という言葉は今後の本格的な就活の中で大切にしたいと感じた。

わかせん担当者の声▼
・今回参加した学生が歴史遺産学科の学生で、日本文化に興味のある学生が多い印象でした。
・社員のみなさまの説明中・社内見学中にメモを取る学生も多く、中には絵で見たものを描いている学生もいました(さすが!)。
・2社ともに積極的に質問している姿や、2社目の松栄堂ではツアー終了後も多くの学生が薫習館を見学している様子から、有意義な時間だったことが伺えました。

[参加企業](順不同)
株式会社森本錺金具製作所
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=843
株式会社松栄堂
https://www5.city.kyoto.jp/kigyo/kg_102.cgi?CT=30&KID=108


いかがでしたか?
読者のみなさまもオフィスツアーを楽しんでいただけたなら何よりです!

京都市わかもの就職支援センターでは、京都の企業と学生・求職者を繋げる活動を行っています。大学関係者の方はお気軽にご連絡ください。

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