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フィンランドの先生が教えてくれたこと

フィンランドの教育や学校をテーマにした、日本語中級クラスの読解授業で。

フィンランドは、一人一人の個性を生かす、伸び伸びした教育を行うことで知られている。国際的な学力調査PISAでは常に上位。(最近、ちょっと順位を落としてはいるけれど)おまけに教育費は、小学校から大学まで無料。「学ぶ行為そのものが義務だ」という信条のもと、国家挙げて教育にお金を投入し、大切な「子どもたち」を育てている。

こんな教育環境の中で、あるフィンランド人の先生が、

「先生や授業のために、親のために勉強しているわけではない。人とは比べない。これまでの自分と今の自分を比べて、どう成長していくかを考えるべきだ」

と、学生たちに見せた動画の中で語っていた。

私はこれを聞いて、ちょっとショックを受けた。今まで、(いや今でも)人と比べることがどれだけ多かったことか。

成績だけでなく、仕事、収入、持ち物、考え方、生き方などなど、何かにつけ人と比べてばかりだ。おまけに、子どもにも「○○さんは~なのに、あんたは何?」と比べることのオンパレード。

人と比べながら生きている、この状況。少しの比較は、起爆剤となってメリットになることもあると思う。しかしいつもいつもなら、自分の気持ちも下向き、いいこともない。

比べる対象は外ではなく、自分なのだ。そして内なる自分の声を静かに聞くことが大切なのだ。今の自分をしかと見つめ、過去の自分と向き合い話し合い、どれだけ、前進できたのか。これを感じ取る感性を曇らせてはいけないと思う。

私自身あまりに外に目が行きすぎて、これまで自分を冷静に見つめたこともなかった。あくまで自分主体で、自分の尺度で、過去の自分と比べる。これを実践したら、ちょっと自分の世界も変わるかもしれない。

フィンランドの先生は、見落としがちな大切なことを教えてくれた。


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