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日本語授業での私の相棒 ①

日本語の授業をするとき、欠かせないものがいくつかある。(あくまで私の場合だが)それは、タイマーである。タイマーと言っても100円ショップで売っているキッチンタイマーだ。

例えば、読解の時には「この文を5分で読んでみて」とか、文法の時間では「1分で続きの部分を考えよう」というふうに様々にアレンジして使う。またペアワークやグループワークの時には、10分で話してまとめることを促すときにも使える。

学生たちに今からやる活動の内容を簡潔に明確に話し、やることを理解してもらってから「じゃ、〇分で」と伝えると一応、真剣に取り組み始める。そして、「ピピピ」とタイマーが鳴り出すと、大体ピタリとやめる。こちらからは何も言わない。本当に不思議だ。学生たちの心に、タイマーのほうが優しく「時間よ」と語らいかけているのだろうか。

どちらにせよ、時間の観念を形成し、時間内で仕上げるという意識が働くと学習への集中力の深さがダントツだ。授業内のいくつかのポイントで時間を設定すると、眠かったり、つい携帯をいじりたくなる気持ちを抑え込むようだ。教える側も学ぶ側も、体中で時間を意識すれば、まさにwin-winである。

ついでに活動後の学生たちの発表で、「〇分で、ここまでよくできた!」「すごい!!集中したら〇分でも、多くのことがわかるね~」などと、プラスの誉め言葉をこちらから意識的に連呼する。と、ほとんどの学生たちは、小さいながらも達成感を感じるようで、何とも言えぬいい表情をする。

Zoom授業の今でも、私の古いタイマーは真面目に働いている。姿は小さくても、私の大きくて力強い頼れる”相棒”として。


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