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『不適切にもほどがある!』を見て、昭和と令和の時代を改めて考えたこと

ドラマ『不適切にもほどがある!』を見た。

1話を見て、ズブズブと沼に入っていき、あっという間に10話全部を見終えた。

このドラマの内容を簡単に言うと、主人公の中学教師・小川市郎が、昭和の1986年から令和の2024年にタイムスリップし、様々な問題に真っ向から立ち向かうというもの。

私がまず心惹かれたのは、「昭和の姿」だ。
あまりになつかしくって、ドラマを見ながら拍手しつつも、少し涙も出た。
ラジカセにカセットテープ、キョンキョン(小泉今日子)やマッチ(近藤真彦)の大判ポスター。プッシュフォン式の電話や、壁に貼ってあった三角形のペナントなどなど。
生まれも育ちも「昭和」の私には、どれも思い出深いものばかり。本当になつかしいなあ・・・

2つ目に、昭和と令和のコンプライアンス意識の違いだ。
あの頃は、私の周りにも、市郎のような「不適切発言」が多くあった。でも、当時は全くそんなことも考えたこともなかった。私もそれが普通だと思っていたし、他の観点から考えてみる姿勢もなかった。
それが令和の世となり、自分が意図していなくてもあるときには、それが「○○ハラスメント」となり、不快な感情を生み出したり、SNSでの炎上につながる。

このドラマの脚本を書いた宮藤官九郎氏は、昭和と令和という2つの時代の違いを登場人物の心理描写と絡めて、力強く訴えているように思う。
2つの時代には、いいところもあれば、そうでないところもある。世の中の流れに従って現在まで来て、そして未来に向かって進んでいく。

一方で、市郎が同僚の先生たちとの会食の席で、
「生徒は一人一人違うんだよ。・・・あの子たちが30年後、40年後の未来を作るんだよ。ちゃんとやろうよ」
と力をこめて話したところは胸が熱くなった。未来を見据えて、今を生きないとね。そして生徒たちと接さなければ。

そしてもう一つ彼が言った「寛容になること」。
甘えではなく、あくまで「寛容」という点が大切なんだなあ・・・


『不適切にもほどがある!』は脚本家クドカンの熱い思いと、阿部サダヲ氏たちの芸のうまさがあいまって、見ていて心が元気になった気がする。(毎回の出演者たちの歌とダンスが楽しい!)
ドラマには不適切表現が次々出て来て驚かされるけど、深い意味があり「なるほどな」と思うことしきり。

新しいタイプのドラマ『不適切にもほどがある!』
考えさせられることが多いドラマだった。






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