【ネタバレ注意】世界から漫画が全て無くなっても3月のライオンだけは残っていてほしい
3月のライオン最新16巻が発売になりました。
特典ペーパーがほしくて3駅先の本屋さんへ昼寝明けの身体を起こして電車で向かう。
休日の昼寝なんていう贅沢なものよりも、地元を出て駅前に向かうなんて選択を取らせたのは
今日発売の3月のライオンが僕の好きな漫画ランキング第一位の作品だから
駅前のビルに入っている書店はもはや漫画屋さんと言っても過言では無いような本屋さんで、平積みにされた3月のライオン達が特典のペーパー入りでお出迎えしている。
「特典入りじゃんラッキー」よりも確実に特典入りの冊子達をお迎えに行きたい。
そのくせ入念な下調べとは無縁の僕が漫画屋さんのような店を選んだのはそんな必然性から。
財布に入ってた小銭が全部で594円で3月のライオンも丁度同じ金額だった、小銭入れが空になったお財布をサコッシュに閉まって、目当ての本は何処にも仕舞わないで手に持って店を出る。
その後にはヨメと合流してマルジェラのバックに3月のライオンをしまってもらう。
デパ地下で化粧品を購入したヨメは左手の紙袋にウキウキしている。
それぞれがウキウキソワソワしている僕らは帰宅してからリビングでハグしてキッチンとダイニングに分かれた。
僕は3月のライオンの1,2巻を読んだ高校生の時にこの物語にどっぷりとハマった。
16巻を読むためにたくさんの涙を流して読み切るのに二時間も掛かった。
ゼロだってーヘンな名前ぇーでもぴったりよねアナタにだってそうでしょ?「家もない」「家族もない」「学校にも行って無い」「友達も居無い」ほらアナタの居場所なんでこの世の何処にも無いじゃない? -幸田 香子
義姉に零という名前を何も持っていない桐山にピッタリだと揶揄されて始まった物語は、16巻の最後でスタートラインにだった事と零が掛かっていて終わる。
やっと辿りつけたんだなお前のその名と同じ場所始まりのスタートラインに -二階堂 晴信
16巻ではゼロであるスタート=何も持っていないわけではない何も失っていない事をまざまざと見せつけられる。
桐山が生業としている将棋の世界で神様の様に存在している宗谷名人が登場しては彼の人間味や人情味を描き出されている事は桐山か下町の人情味を抱えたままに名人となり得る未来。桐山が切るスタートの先が暗い未来では無い事を示されている様でとてもニクイ。
3月のライオンというタイトルはイギリスのことわざで「3月はライオンのように訪れ、子羊の様に去ってゆく。」というイギリスの天気を表したことわざから来ているという話がある。
3月の始まりは気まぐれで荒れた天候になりやすいが、4月が近くなる3月の終わり頃には穏やかな春の陽気。
1巻2巻では嵐の描写もあったし、なんなら2巻の最後では桐山が対戦相手達へもっと真剣に将棋へ取り組めとぶつけようの無い憤りを叫んで終わっていた。
それが16巻ではどうだライバルから共に研磨して行く事を心の底から願われている。
その上、好きな人達からは積み上げてきたもの台無しにしたくされたくないと居場所と肯定されている。
ゼロがピッタリと笑われた桐山君は今は周りに桐山くんよ失わないでくれと、投げ出さないでくれと心の底から願われている。
桐山零はたくさん積み上げてきたものとたくさんの未来を抱えてこれからも3月の天気のような日々を歩いていくのだろう。
僕は桐山君を心から応援していきたい。
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