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【国語編】受験生としての1年間を振り返る

体験談国語編です。前回に続き、これは私個人の話なので万人に参考にしていただけるわけではないと思います。使用参考書の紹介を中心に、偏差値の推移なども振り返っていきましょう。

はじめに、受験生としての私の状況について整理します。

志望校は早稲田大学政治経済学部。共通テストが必須で二次試験は総合問題というやや特殊な形。
高2の1月に受験した進研模試では、国語は偏差値65(但し古文漢文はほぼ初学)
通塾はなし

そんなこんなで最終的に合格した大学学部は以下。

・早稲田大学政治経済学部政治学科(共テ併用)
・早稲田大学教育学部社会科公共市民学専修(一般)
・慶應義塾大学商学部商学科(一般)
・明治大学政治経済学部政治学科(全学部,一般)
・中央大学法学部政治学科(共テ利用,共テ併用,一般)
・中央大学総合政策学部政策科学科(6学部)
・学習院大学法学部政治学科(共テ利用)
・國學院大學法学部法律学科政治専攻(一般)
・成蹊大学法学部政治学科(共テ利用)

なお、共通テスト本番は159点(現代文86点,古文36点,漢文37点)でした。よわい

3月

【現代文】
・田村のやさしく語る現代文(代々木ライブラリー)
【古文】
・読んで見て覚える古文単語315(桐原書店)
・岡本梨奈の一冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本(KADOKAWA)

国語の受験勉強をはじめたのは高2の3月、学年末テストが終わったあとのことでした。志望校の早稲田大学政治経済学部は2次試験が総合問題で、現代文と英語をベースとする試験だったため、その2科目に重点を置いて勉強を進めていくこととしました。
つまりポイントとなるのは、苦手の古文漢文をいかに短時間でそれなりのレベルまで完成させられるか。国語の攻略はこれにかかっていました。

さて、使用した参考書についてひとつひとつ見ていきましょう。

田村のやさしく語る現代文

入試現代文の入門書として長く人気を保っている参考書です。現代文の勉強法や現代語文法といった、とても基礎的な内容から始めてくれる本です。現代文の偏差値が50を切るような人はぜひ使ってほしい本です。
なお、私は現代文を苦手にはしていなかったので正直必要のないフェーズだったと今では思います。また、講義ページの内容の割に問題の難易度が高いので人によっては使いにくく感じるかもしれません。

読んで見て覚える重要古文単語315

使用は旧版、画像は新版

王道の古文単語帳でしょう。頻出の重要単語をイラストつきで暗記しやすいようにまとめてくれています。いい意味で癖がないので誰でも使いやすい単語帳です。
なお、この語数の315という数字は難関大受験にはやや心許ないかもしれません。私は学部の傾向的にこの単語帳で完結させましたが、人によっては600語レベルの単語帳を追加するのも選択肢でしょう。

岡本梨奈の古典文法が面白いほど

スタサプの大人気講師である岡本梨奈先生の講義本です。名の通り古典文法の基礎的事項とその覚え方を対話形式で解説してくれています。内容は非常にわかりやすいのですが、レイアウトがやや人を選ぶ点、演習量が少ない点から、他の参考書を好む人もいるかと思います。

4月

【現代文】
・船口のゼロから読み解く最強の現代文(Gakken)

4月に追加した参考書は一冊だけですが、古文は引き続き単語と文法をひたすらに周回していました。

船口のゼロから読み解く最強の現代文

最強です。人生が変わりました。本当に現代文が苦手な方が手を出すとやや危ないですが、「そこそこ点は取れるけど安定しない」「なんとなく読んでいる」という人にとっては劇薬になり得る参考書です
対比や並列、具体と抽象といった汎用性の高い読解法をビジュアル的に解説しています。他の問題集の解説とも非常に相性がよい印象です。

4月は第1回全統共テ模試。国語は139点(現代文81,古文19,漢文39)でした。点数としては微妙ですが偏差値は70くらいあったので悪くはなかったと思います。

5月

【現代文】
・入試現代文へのアクセス 基本編(河合出版)
・現代文キーワード読解(Z会)
【古文】
・岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本(KADOKAWA)
【漢文】
・漢文早覚え速答法(Gakken)

入試現代文へのアクセス 基本編

超王道の問題集です。基礎的な読解問題を計16題収録しており、記述問題も含まれています。解説は先述の「船口の最強の現代文」とも似た切り口で、スムーズに繋げていけることでしょう。

現代文キーワード読解

こちらも王道です。現代文に頻出のキーワードやテーマについて、入試問題から例文を引用しながら解説しています。この参考書の特筆すべき点は、短い文章ながらもその論理展開の図解と要約例が掲載されていることです。短文から現代文読解の経験を重ねていけるので、文章慣れという点でも優秀な参考書と言えます。
なお、キーワードやテーマの解説自体はやや堅い文面で為されているので、現代文が苦手な方にはあまり推奨しません。

岡本梨奈の古文の読み方&解き方が面白いほど

古文は主語などが省略されており、受験生はそこで躓くことが非常に多いと言われています。その補い方や問題を解く上でのテクニックの解説をしている本です。特に後述する「古文ポラリス」シリーズとの相性が抜群で、相乗効果も十分に期待できます。この本は演習量は少なく、どちらかというと読み物のような印象を受けるので、まずは一読したのちに問題演習をする中で躓いたら戻ってくるという使い方もいいと思います。

漢文早覚え速答法

超ベストセラーの漢文参考書です。大学入試において配点が少なく、あまり時間をかけたくない漢文という科目に対して最大効率で合格点をとることにフォーカスしています。共通テスト満点や二次対策にしようするにはやや心もとないですが、漢文は最低限でいいという方、あるいは理系であまり時間をかけられない方には本当におすすめできる参考書です。

5月には第1回記述模試がありました。国語の偏差値は52.6。記述模試との相性が本当に悪く、ここからも苦戦が続くこととなります。

6月

【現代文】
・入試現代文へのアクセス 発展編(河合出版)
【古文】
・岡本梨奈の古文ポラリス1(KADOKAWA)

入試現代文へのアクセス 発展編

「アクセス」シリーズの二冊目で、所謂GMARCHレベルの入門的な難易度です。ひとつ注意が必要なのが、このレベルの問題集をこなしても共つテスト現代文を攻略できるとは限らないということ。それは英語のように形式が突飛だということではなく、シンプルに問題がけっこう難しいんですよ。

古文ポラリス1

古文の問題集の中では、難易度と解説ともに一冊目として非常に勧められる本です。解答に至るプロセスが非常に詳しく解説されており、先述した「岡本梨奈の古文の読み方&解き方」との相性も抜群です。
難易度は日東駒専や産近甲龍レベルの入門といったところでしょうか。

7月

【現代文】
・現代文読解力の開発講座(駿台文庫)

現代文読解力の開発講座

難関大志望の受験生から長年にわたって愛されてきた参考書です。文章の要約を通してテクニックに頼らない正統派な読解力を磨くことを目指します。基本的に現代文の問題集は問題1周+要約1周という形にしていたのですが、この参考書に限っては問題&要約2周と、より時間をかけて演習を行いました。

このあたりから共通テストやセンター試験の過去問を現代文、古文、漢文それぞれで演習するようになりました。

月末の第2回共テ模試は149点(33,43,31,42)。やや伸び悩みました。

8月

【現代文】
・早稲田の国語(教学社)現代文パート
【古文】
・岡本梨奈の古文ポラリス2(KADOKAWA)

早稲田の国語

まずは現代文パート。一般的な赤本に比べても解説が詳しく、開発講座からスムーズに接続することができました。体感ですがさほど苦労しなかった覚えがあります。

古文ポラリス2

日東駒専や産近甲龍、共通テストレベルの問題集です。相変わらず詳しい解説でレベル感の接続もよかった記憶があります。

8月の記述模試は偏差値60.3でした。びみょいね。

9月

【古文】
・岡本梨奈の古文ポラリス3(KADOKAWA)

古文ポラリス3

GMARCHや関関同立レベルです。2から3ではやや難易度の開きを感じました。というか古文にあまり時間を使うことができていなかったツケがこのあたりから回ってきていましたね。
また、このシリーズは記号問題がほとんどなため、国公立志望者はこれらにプラスして記述式問題が収録された問題集が必要になるかと思います。

第3回記述模試では偏差値64.8。やっとひとつ形になったような気がします。

10月

【現代文】
・きめる!共通テスト 現代文(Gakken)
【古文・漢文】
・早稲田の国語(教学社)古文,漢文,融合問題パート

きめる!共通テスト 現代文

共通テスト形式の問題の演習をしていたものの、第2問の小説問題でなかなか点数が安定せず、「最強の現代文」でお世話になった船口明先生の著書に手を出しました。自分としては評論ほど劇薬にはならなかったものの、小説の解き方をある程度確立できたという点でやってよかったと思います。

「早稲田の国語」の古文パートはだいぶ苦労しました。10月は今思えばやや中だるみの時期だったかもしれません。基礎的な単語や文法の抜けもあり、ところどころ補いつつでした。

第3回共テ模試は176点(43,50,43,40)。現代文が易しかったのもあってだいぶいい点数でした。

11月

【古文】
・共通テスト古文 満点のコツ
【漢文】
・共通テスト漢文 満点のコツ

共通テスト古文/漢文 満点のコツ

共通テストの演習をしていく上で特に古文の点数が安定せず、とりあえず、という思いですがりついた二冊です。今思えば、既に持っていた単語帳や文法書などを仕上げた方がいい結果につながったかもしれません。当時はだいぶ焦っていましたね。いかんせん共通テストの演習は点数がはっきりと出るので、必要以上に深く考えてしまいがちでした。
これらの参考書そのものについては、なにか突飛なテクニックというよりもしっかりと知識を吸収したうえで正統派な読解を促すものでした。

共テプレ模試では173点(48,44,36,45)。点数的にはいいんですが、この回の模試は世界史と数学が酷かった記憶の方が強いですね。

12月

共通テスト対策です。実際はもう少し前からやっていたのですが、使用時期も含めて、使用した実戦問題集を以下に羅列します。

11月
・共通テスト実戦問題集(代々木ライブラリー)
・共通テスト総合問題集(河合出版)
12月
・パワーマックス(Z会・学校配布)
・共通テスト実戦問題集(駿台文庫)
・共通テスト対策パック(河合出版)

難易度としては、体感では易しい順に河合、代ゼミ、駿台、Z会の順でした。というかZ会がダントツで難しかったですね。それぞれの模試ではアベレージで160点くらいでしたが、やはり点数は安定せず、140点を切るときもあれば180点を超えることもありました。

不安定な中、本番の目標点数は170点に設定。試験場での運ゲーに身を任せる覚悟を決めました。

1月

迎えた共通テスト本番、さほど難しくは感じませんでした。結果は159点。内訳は評論41点、小説45点、古文36点、漢文37点でした。漢字のミスを終了直前に気付いたのと、古文漢文で小さなミスが重なってしまいました。ただ7割を切るような大崩れではなかったことにひとまず安堵、というのが正直な感想でした。

さて、ここからは早稲田政経の総合問題対策に本腰を入れていきます。

世界一わかりやすい総合問題の特別講座

これを国語といっていいのかわかりませんが、一応日本語を読む問題なので。近年導入が広がる総合問題の多くは、現代文や小論文、図表などの要素からなり立っています。これらについて解説した本邦唯一の参考書です。特に役立ったのは図表読み取りで、データを扱う際の簡単なリテラシーについて習得することができました。ほかにこのような参考書はないので、総合問題を出題する大学を受験予定の受験生には必須とまで言えます。

2月

さて、いよいよ受験本番。覚えている限りの感想をつらつらと。

國學院大學全学部入試
→評論1題必須、もう1題を現古漢から選択という形。時間があったので全ての問題を解きましたが、一番選ばまいと思っていた古文が思ったより解けたので古文を選択しました。

明治大学全学部入試
→明治大学の教壇…。まああの問題は文学史的要素で解けるものではあったのですが、普通に無理でしたね。絶対落ちたと思ったらなんか受かってました。

中央大学6学部共通入試
→ぜんっぜん覚えてません。自己採点は悪かった。
 総合政策学部は受かって法学部は落ちました。

明治大学政治経済学部
→覚えてないけどたぶんそんな難しくなかった

中央大学法学部
→和歌解釈の問題は難しかった記憶。ほかはさほど

慶應義塾大学商学部
→こちらは数学的素養も問う「論文テスト」の形。形式は特殊ながらも必要な国語数学能力はさほど高くないので全く問題なく、最高の出来でした。9割くらいとれてたと思います。

早稲田大学教育学部
→衝撃の易化。3回訂正は絶許

早稲田大学政治経済学部
→総合問題。最初に解いているときはあまり手ごたえがなく、余った時間で見直しをしようと思っていましたが、超難化の英作文で時間をとられて結局見直しの時間はとれず。最終的に自己採点では満点だったからよかったものの、少しの判断の違いで合否が変わっていましたね。

早稲田大学社会科学部
→いつも通りでした。そして落ちました。

最後に

国語、特に現代文はなかなか勉強の方法も難しく、悩んでいる方も多いかと思います。そんな受験生たちの一助になれれば幸いですが、参考になるのかどうかは怪しいですね。書いていて、今思えば…という後悔ばかりが出てきました。抽象的で難しい教科だからこそ、しっかりとした見通しを立てて、かつ暗記から逃げずに突っ走っていってほしいと思います。

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