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学級文庫の整備拡充について

2月の議会で「学級文庫の整備拡充について」質問しました。

子どもにとって読書は、言葉を学び、感性を磨き、表現力や創造力を高め、人生をより豊かに生きる力を身に付けていくうえで欠くことのできないものです。
さらに、変化の激しい情報社会においては、学齢期だけでなく生涯にわたって、その時々に応じて必要な知識技術を学び続けることが必要とされています。
日常的に本に親しむことは、自ら学ぶ力の基礎となる「読み解く力」をつけ、多様な情報や事象から必要な要素を選択し、自ら考える力を養うことができます。
子どもの生活の場に本を届けることは、自律的に考える力をつけるうえで大変重要と考えます。

もともと本が好きな子どもたちは、学校図書館に行ったり、お休みの日に大きな図書館に行ったりと、自ら本を求めて行動します。
一方で、もともとの読書習慣がなく、本に親しんでいない子どもたちにとっては、休み時間を削って学校図書館に行くことや、お休みの日に図書館に行くことはハードルが高いと考えられます。

そんな読書習慣のない子どもたちも、学校が朝読書に取り組んでいれば、クラスのみんなと共に、自然に本を読む時間を持つことができます。
朝読書の時間に読む本を家から持ってきていない子どもは、学級に設置されている学級文庫の本を読むように促されることが多いようです。
本に親しみを持っていない子どもが、読書の楽しさを感じるきっかけとしての学級文庫であることを考えると、学級文庫にこそ魅力的な本を置いて欲しいものです。

本好きな子どもを育てるために、学級文庫をとても大切にしている学校があると聞き、視察させていただきました。

学級文庫に図書館から貸出された本が並んでいます。

これは子どもの読書活動にたいへん力を入れておられる中央小学校の学級文庫です。
棚の中には図書館から団体貸し出しをした本が並べられています。
中央小学校は大津市立図書館の団体貸し出しを、学校図書館ではなく、各クラスの学級文庫に利用しておられます。
中央小学校では、すべてのクラスの学級文庫に図書館からの団体貸出の本が収められており、図書館司書が発達段階を踏まえて学年ごとに選書した本が、毎月届けられています。
学年ごとに分けられた本は、半分ずつ分けて2クラスの学級文庫に配架し、月の半ばでクラスを入れ替えているとのことでした。
つまり、中央小学校の学級文庫は半月ごとに新しい本が並ぶというとても魅力的な文庫になっています。
視察させていただいたクラスの子どもに図書館の本が並んでいることの感想を聞くと、「いろんな本が読めて楽しいよ」と答えてくれました。
目新しい本がくるくると入れ替わる学級文庫。この本があるのは2週間だけだから、今、読まなきゃ!そんなワクワク感があるのかもしれません。
半月に一度、蔵書が入れ替わる学級文庫は子どもたちの興味関心を惹き、読書欲求を引き出す魅力的なものであると思います。
このような取り組みの成果は児童のアンケート結果にも如実に表れています。中央小学校の「児童アンケート結果」によると、「進んで読書をするようにしている」と言うアンケート項目に対して、肯定的な評価があった割合は令和2年度の58.6%から令和3年度は74.2%になり、なんと15.6%も向上しています。
担任の先生方にとっては団体貸出をした本の管理や運搬など、通常業務に加えての作業にご苦労いただいているところではありますが、その成果がこのようなアンケート結果にも出ていることは大変喜ばしいことと思います。
また、校長先生からはクラスが落ち着いている、学習に積極的に取り組むなどの読書以外の変化も感じていることを教えていただきました。

図書館の団体貸し出しを学級文庫に活用する


魅力的な本に出会う機会を学級の中に作り、本が好きな子どもを増やすこのような取り組みをもっと推進するべきと考えます。
図書館では、毎年度、学校への団体貸し出しの活用について周知を図られていると聞いています。学校としてもこの団体貸し出しをもっと積極的に利用すべきだと考えます。見解をお伺いします。

執行部の答え
市立図書館の団体貸出しは、児童・生徒がより多くの蔵書に触れられ、教室の読書環境の充実にもつながるので、今後も学校に対して積極的な活用を促してまいります。

子どもの読書への興味関心を引き出す魅力的な学級文庫にするために、学級文庫を学校図書館の本として管理し、購入費用についても図書費として位置づけ拡充を図るべきと考えます。執行部の見解をお伺いします

執行部の答え
学級文庫を学校図書館の本として管理すること及び学級文庫の購入費を拡充することについてですが、まずは学校図書館の蔵書の充実を図ってまいりたいと考えております。


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