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「先生はプロなんだから、自覚を持ちなさい」」と言われた話

平成の頃の話をしても、今の時代とは違うのだから、と言われるかもしれません。
が、今の私を育ててくれたのも、振り返ってみると、あの頃の厳しい先輩先生方の言葉。
そのときには、厳しい言葉と感じましたが、今となっては本当にありがたかったと思っているひとつをお話しします。


先生はプロなんだから自覚を持ちなさい

と言われたことがあります。
女性の校長先生でした。
研究校に指定された年、その教科では、かなり名の通った校長先生が赴任されてきました。
当時、女性校長はまだまだ少ない時代でした。

当時、バスで出勤していた私は、いつも通りバスに乗り、後部座席の左から二番目に座りました。
途中で、若い男性が私の横に座ったので、後部座席に5人がミチッと並んで座ったことになります。
しばらくすると、その男性は、その場でズボンのチャックを開け始めました。
おどろいた私は、すぐに下車。
途中下車をしました。

絶賛子育て中の私は、産休明け1歳児のお世話をして、時間ギリギリのバスに乗っていたので、朝の打ち合わせが始まった時に学校に到着(当時は毎朝打ち合わせがありました)。
打ち合わせ中に中に入らずに、廊下で待ち、終わった時に職員室に入り、校長に事情を話しました。

出来事があまりにも衝撃的過ぎて、私は、少し涙ぐんでしまった?泣いた?ように記憶しています。

すると、
「あなたはプロなんだから、自覚を持ちなさい」
「授業前に泣いてはいけない」
そして、
「教師としても、母親としても、しっかりしなさい」と。

そのときは、その言葉にシュンとした

私としては、
「それは大変だったね」
そういってもらえると期待していたと思います。

そして、そう言って欲しかったのだと思います。
けれど、そうではありませんでした。

叱咤激励。

おそらく校長先生は、私を叱咤激励してくれていたのでしょう。

そのあと、自分の時代は、産休は2か月。それですぐに働いたこと(私の頃は1年間)、いろいろと工夫をして子育てをしながらもここまできたことなどをお話ししてくださいました。

まあ、あなたは甘い!

ということをだったと思います。

プロかあ・・。

シュンとした私。

ですが、
プロと言われて、実は、なんだかうれしかったのは確かです。

もちろん、それがよいかどうか、ということではなく、あくまでも当時の回想ですので、その点はご理解ください。

ごめんなさいねと言われてしまった

その後、その校長先生は異動され、そして退職された後、有志でお祝いの会を開くことになり、私もそのメンバーとして出席しました。
そして、会の最後に、ひとりひとりに校長先生から、メッセージをいただきました。

「あなたには、ずいぶんと厳しいことを言った気がする。ごめんなさいね」

そうおっしゃいました。

いやいや・・。
そんなことありません。

この記事のまとめ

プロとしての自覚を持つ。
その言葉、その時のことを、もう四半世紀以上前のことなのに、しっかりと思い出せるのは、それだけ印象的だったということです。

そして、厳しい言葉をかけることは、今の社会では少し難しいかもしれないし、当時だって、誰にでも厳しい言葉をかけてもよいというわけではなかったと思います。

社会背景、言葉をかける相手、その時の状況など、いつの時代も言葉選びは難しいですね。

けれど、自分と真摯に向き合ってかけてくれる言葉には、自分へ何かの気づきをくれる言葉になるのかもしれないと、今の私は思えるようになりました。

あの頃は、思えませんでしたので、こちらも今さらなことのひとつです。



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