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教員採用試験の勉強をしても教員の仕事のリアルがわからなかった話

教員採用試験の選考方法。今も私が受験したずっと前も、基本的にはあまり変わっていない感じ。
でもそのことに私は違和感をあまり感じません。
なぜかといえば、「教育」についての根本的なところが変わっていないから。
そのあたりのことは別の機会にということにして。

今回は教員採用試験で、わりと一生懸命に「教育」のことを勉強したつもりになったけれど、先生一年目に、結局わからないことばかりだったというお話です。


いばらの道

私が教員になったのは、30年以上も前のこと。
当時は募集人数と志願者のバランスが悪くて、ものすごい倍率でした。
準備が足りない私は、一年目は不合格。しかも一次試験の途中にすでに、絶対に受からないと確信していました。
気持ちはすっかり次の年に向いてしまった。

そんな私でも、翌年はなんとか合格し、念願の先生になりました。
(特別支援学校希望って書いたけれど、小学校に勤務になりました)
ここから一年間、私は、いばらの道となりました。
「茨(いばら)」。
トゲトゲがいっぱいある道だったんです。

ほぼ何もわからない

とにかく何もわかっていなかったというのがピッタリでした。
4月はいろいろな事務処理があり、まずここが大変。
自分に関する事務処理もいろいろある上に、担任する児童に関することもたくさんありました。
特に困ったのが、学校で使われる「用語」です。
「これ、学籍の先生に渡して」とか、
「校務分掌ごとに会議です」とか、
みなさん、何気なく初任の私に言いますが、「学籍の先生って何?」「校務分掌ごとってどういうこと?」のようなことばかりでした。
先生になったけれど、なんだかよくわからない「学校のこと」がたくさんありました。

先生になれると思った

教員採用試験は、とにかくまずは、一次試験に合格することを目指していました。
めちゃめちゃ、知識を詰め込んだつもり。
きっと「教育」に関する知識は、いろいろとね、入ったんだと思います。
これで先生になれる。
意気揚々と先生になりました。

知っていただけ

教員採用試験で勉強した内容は、私だけかもしれませんが、すぐに忘れてしまいました。
覚えるだけなので、すぐに忘れる。
忘れていないことでも、まったく使えない。
知っていても、理解していないからです。
たとえばこんなこと。

当番活動と係活動

給食当番とか掃除当番とか「当番活動」ってありますよね。
4月はこういったことを決めていかないと、学級の活動が滞ってしまいます。
先生になったばかりに早速、こういったことを決めていかなければなりません。

学年主任の先生に、すぐに給食が始まるから、「給食当番を決めて」とか、教えていただくんですね。そのうち係も決めたりします。
子どもたちに聞きながら、バタバタといろいろなことを決めていきます。

そんな中、「特別活動」の担当の先生から「この係活動は、当番活動だよ」というご指摘を。

???でした。

当番活動と係活動はちがう

当番活動と係活動はちがうもの。
そのことは、こちらをみていただくとわかるのですが、学習指導要領にしっかりと示されています。
特別活動のことをよく理解していなかったし、学級活動についても最初は曖昧にとらえていました。

ちなみに、前年度、臨時的任用職員として2年生の担任をしていましたが、9月から引き継ぎました。
そのため、学級運営に関しての経験はあってないようなものです。

 係活動は,学級の児童が学級内の仕事を分担処理し,児童の力で学級生活を楽しく豊かにすることをねらいとしている。したがって,当番活動と係活動の違いに留意し,教科に関する仕事や教師の仕事の一部を担うような係にならないようにすることが大切である。例えば学級新聞係や誕生日係,レクリエーション係など,学級生活を共に楽しく豊かにするために創意工夫しながら自主的,実践的に取り組むことができる活動を行うようにする。  係活動の組織づくりに当たっては,学級会の議題として取り上げ,学級にとって必要のある係を話合い活動で決定し,全員で役割を分担するなど,自主的,実践的に取り組むことができるようにすることが大切である。設置する係の種類や数は,児童の発達の段階とともに学級や学年の実態によって異なる。そのため,児童の創意工夫を十分に生かして計画し活動できるよう適切に指導することが望まれる。また,係活動を充実させるためには,協力して活動できるよう各係の人数を複数にするなど配慮するとともに,活動時間を確保する必要がある。さらに,活動予定やお知らせを掲示できる「係活動コーナー」の設置について,学校や学年として共通理解を図りながら取り組むことも大切である。

(「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説平成29年7月特別活動編」より一部引用し抜粋)

学習指導要領は大事

こんな風に学習指導要領には、しっかりと示されているのに、知りませんでした、気づきませんでした、よくわからなかったと言って、間違えたことを指導してしまうのは、よくないことですよね。
学習指導要領ってそれだけ、学校教育では重要なものということです。

だから採用試験でもよく出題されるのかなと。

とはいえ、細かいところまで読んでおいてくださいね、とまで意地悪な感じで試されているわけではないので、
・学習指導要領というのは、どのようなものか。
・どんなことが書かれているか。
・そもそも、どうして学習指導要領があるのか。
・たとえばこんなところは知っている?
みたいな感じで出題されてると、いろいろな過去問を解いて感じます。

この記事のまとめ

教員採用試験の勉強をしても、教員一年目の私は、教員の仕事のリアルは、よくわからなかったです。
けれど、振り返ってみて、そしてこうして、教員採用試験の受験対策に携わってみると、教員採用試験一次試験は、「試験のために勉強することにとても意味がある」ということがわかります。

「覚えたこと」は、教員になってから役に立つことが多いからです。
記憶するだけでも、合格することはできるかもしれない(自分がそう)。
けれど、それよりも「理解して覚える」ことの方が定着するから役に立つ。
採用試験(一次試験)は、教員になってから役立たせるためにしているんだけどなあ・・という採用者側の声も聞こえてきそうです。

こんな私が言うのもなんですが・・・。

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