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【エッセイ】美味しそうに撮る方法
「いっつも美味しそうなもの食べてるよね」
「恭子さんって、美味しそうに撮りますよね」
よく、私のプライベートのインスタを見た人からこう言われる。
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確かに、我ながら美味しそうに撮れている。作り手の盛り付けが上手いからこそ美味しそうに見えるのもある。言うまでもなく、全部本当に美味しかった。
美味しそうに撮るコツは少ない。なるべくアップで撮る、被写体の明るさを上げる。
それ以上に料理を美味しそうに写すコツは、「美味しそう」と思いながら撮ることだ。多分、これが一番効いていると思う。
とはいえ、「映えるように、オシャレに見えるように」と考えながら撮っているのも事実。でも一番は、今この瞬間に私の食欲をそそる目の前の料理から漂う「うまそうオーラ」を閉じ込めることに毎度必死になってシャッターを切っている。シャッターを切るなんてカッコよく言ったが、実際はiPhoneでパチリ、なんだけどね。
構図とか光の加減とか、そんな詳細なテクニックはわからない。わからないからこそ、いかに今自分が感じる「うまそうオーラ」を伝えるかに躍起になる。実際に、撮るときは頭の中でひたすら「美味しそう、美味しそう、美味しそう!!」と連呼している。その結果、撮れたのがこれらの写真だ。
結局、気持ちなのだ。気持ちに勝るものはない。
いくらテクニックがあっても、そこに強い気持ちがなければ良いものなんて作れない。まぁ私の場合、写真のテクニックがないので気持ちで撮るしかないのだけれど。
何においてもテクニックとは、気持ちがこもってなくても上手く出来上がるようにマニュアル化したものであって、強い気持ちがあれば、テクニックがなくても人を惹きつけるものを生み出せるのではないか。気持ちをとことん込めて作ったものが、結果として「光るテクニック」などと言われるのかもしれない。
熱量を込めて取り組むこと自体が人を唸らせるテクニック、いや、才能なのかもしれない。
と偉そうに言ったが、決して私は自分を写真撮るのが上手いと思っているわけではない。ただ食べ物をうまそうに撮ることに必死な人。ようは、食いしん坊というだけの話だ。
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