『えんとつ町のプペル』に感じた違和感
おはようございます、バーチャルアナウンサー京野聖也です。
ようこそ、京野エンタメ研究所へ。
私は日頃から多くのエンターテインメントに触れようと心掛けているので、この度いろいろと話題になっていた映画『えんとつ町のプペル』を劇場にて観てきました。
感想に関してはレビューサイトにあるような
「絵がきれいだ」
「世界観が素敵だ」
「オリラジ藤森さんの声優がよかった」
という月並みなものしか言えないので今回はタイトルにある通り、『えんとつ町のプペル』に感じた違和感について簡潔にまとめたいと思います。
絵本は誰のためにあるのか
エンターテインメントコンテンツはあらゆる人間を楽しませます。
例えば日本を代表するIPでいうとポケモン、小さなお子様から大人まで夢中になれる素晴らしいコンテンツです。
ディズニーのキャラクターたちに至っては、夢の国で感動の体験を与えてくれるどころか私たちの生活のなかに溶け込んですらいます。
そんなエンターテインメントコンテンツですが、対象年齢が広いとは言っても、必ずターゲットは存在します。
多くの場合は子供が中心です。
かつて創業家や岩田聡さんが社長だったころの任天堂は「ゲームは子供のためのもの」という理念のもと、徹底的に子供向けのゲームを制作しておりました(現在もほとんど変わりはありません)。
任天堂がスマホゲームへの参入を拒んでいたのも、上記の理念が原因です。
スマホゲーの主軸となっているガチャというマネタイズは健全ではなく、「子供のため」という理念とは相反するものですからね。
また、『かんなぎ』や『らき☆すた』等の作品で著名なアニメ監督山本寛さんは「本来アニメは子供のためにあったものである」として、今の大人向けに進化しすぎてしまったアニメ産業界を憂いていました。
話を『えんとつ町のプペル』に戻しますと、原作は絵本でありまして、その絵本は本来誰のためにあるのか……
もちろん、子供のためです。
例として挙げたゲームやアニメよりその性質は強いものであります。
違和感の正体①
映画『えんとつ町のプペル』は現在も大ヒット上映中ということもあり、その感想や批判がTwitterやレビューサイトに数多く寄せられています。
そのレビューを観てみると、不思議なことに「子供を連れていきました」という内容のものが非常に少ないことに気が付きます。
内容を賛美するオンラインサロンの会員と思われる方も、宗教じみていると批判する方も、みな自身の感想や思うところであって「子供はこう言っていました」というコメントがほとんどないのです。
実際私はこのnoteを書くためにプペルを二回観に行きましたが、平日の17:30からの上映は12人で全て大人、休日の13:00の上映は20人前後でこれも全員大人、劇場内に子供がいないのです。
子供のためにあるのが絵本で、プペル自体も間違いなく子供向けに作られており、絵本が原作の本映画も「大人も泣ける」とHPに記載がある通り子供向けに作られているはずです。
絵本が元なのですから、子供が良いと言えばそれでいいじゃないですか。
にも関わらず、いい年をした大人があれこれと言い合っている(プロデューサー西野亮廣氏を含む)。
私からしてみれば、賛美する側も批判する側も、同じく違和感の正体なのです。
違和感の正体②
『えんとつ町のプペル』のプロデューサー西野亮廣氏はオンラインサロンを運営されています。その規模は国内最大級だとか。
そのオンラインサロンの目的は自己啓発であったり、コミュニケーションであったりするわけで、これは大人向けであります。
私からしてみれば、子供のためにある絵本の制作と大人のためにあるオンラインサロンが紐づけられているのが一つの違和感なのです。
もっと切り込んでいってしまえば、絵本という極めて健全なエンターテインメントコンテンツを商材として本筋から逸れてお金を稼いでいるように見えるわけです。
私一個人の意見としては、絵本作家であるならばオンラインサロンと絵本は完全に切り離すべきであると思います。
なぜなら絵本は紛れもなく子供のためにあるからです。
絵本に関しては徹底的に子供のために健全であってほしい。
『えんとつ町のプペル』という作品、プロデューサーの西野亮廣氏から胡散臭さを感じるのは上記の紐づけに理由があると考えております。
最後に
序盤に月並みな感想しか持てなかったとはいえ、『えんとつ町のプペル』は個人的には面白いと思った作品でありまして、人におすすめしたくなるレベルです。
観客動員100万人を超えた作品でして、その人数が全員オンラインサロンの会員というわけではないとこは観てみればすぐにわかります。
どのような意見を持つにしても、見ず知らずであれこれというほど格好悪いものはないと思います。
「脚本が薄い」とか「メッセージ性が…」というレビューも多いですが、そりゃ子供のためにあるんだからわかりやすさが重視されるのは当然です。
それを踏まえたうえでも、大人でも楽しめる作品だと私は思いますが。
私はVtuberですので、もし良ければチャンネルにも遊びに来てくださいね!
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