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ダレカニミセタイケシキ

ある方が僕に言った━
「私がみたかった景色をたくさん見れて羨ましいです。」
何気ないその方が残した言葉が、僕に残した最期の言葉になるとは思いませんでした。

その方との出会いはインスタグラム。

入院生活というインスタグラムのハッシュタグを通じ出会った方でした。その方が元気だったころに投稿していた食べ物のチョイスからカメラアングル、全体のセンス、本当に大好きでした。
その方のインスタグラムが病室から自宅へ変わったとき。再び外での食べ物の投稿が増えるのを見れたときは、順調に元気になられているんだなって嬉しい気持ちにもさせてもらっていました。センスのいい食べ物の投稿が僕の楽しみだったのです。

その方は僕の旅先で撮ったいろんな国のケシキが好きだと言ってくれていました。

そんなインスタグラムが作ってくれた交流から、たった1年。

病魔はその方の人生をもの凄いはやさで奪いました。

患っていたがんはステージ4にまで進行。いつも元気だったのに、最期は本当に元気がなくなっていました。僕は「ステージ4」なんて言葉、人を不安にさせたり元気すらも奪う言葉なら、なくなればいいと思いました。
きっときつい中でも最期の最期まで僕のコメントにいつも欠かさずに返信をくれる方でした。いつも好きだと言ってくれていた旅先の写真を僕は一生懸命インスタグラムに投稿していました。

ダレカニミセタイケシキ

病室の窓からの景色ではなく、インスタグラム越しに見せてあげたい、たくさんのケシキがあったから。

僕の投稿がその方にとって励みになれたのかはわかりません。元気になった時には僕の町のおいしい食材食べに絶対来てくださいね。案内しますから。薦めた漫画も送りますからね。最期の最期、僕が約束を果たす前に、その方は旅立ちました。入院生活というハッシュタグで出会ってからたったの1年という短さ。

人の一生の儚さに、ただ、ただ僕は悔しさを覚えました。もっと見せたい景色があったのに。

ダレカニミセタイケシキ

いつもついていたMさんからのいいねはある日からパタッとこなくなりました。

そのハッシュタグは僕にとってそのそんな想いから投稿していたものでした。

ダレカニミセタイケシキ

その後も変わらずにいろんな景色を投稿し続けました。きっと元気なったとき、またいつも通りいいねがつくかなって願って。

今日までいいねがつくことがなかったけども、きっと天国で見てくれていると信じて。

景色ばかりになった僕のインスタグラムですが、その後多くの人との交流が生まれました。

その方が僕に与えてくれたキッカケ

ダレカニミセタイケシキ

天国へ旅立たれたMさんへ見せたい景色をきっかけに
僕は現在フォトグラファーになりました。

天国でも僕の写真見てくださいね。
Mさんのご冥福をお祈りします。
━誰かに見せたい景色

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