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俎板の鯉的所感(入院中です③)

入院した日は大雪の翌日で、病院にたどり着くのにひと苦労。
私は入院の日なのに朝5時から雪かきをして筋肉痛…
前途多難と思いきや、いろんな場面を乗り越えて、
明日、やっと退院を迎える。
この2日間は暖かかったようで、外の雪もだいぶ溶けた様子。
変わる景色に時間の流れを感じた。

この記事は、こちらの2つの記事の続きです。


入院中のこと残す記事のタイトルを
「俎板の鯉」としたのは、本当にそんな感じで。
特に術後の1〜2日の間は、入れ替わり立ち替わり、
いろんな人が様子を見にくる。
前の記事にも記した部長先生、執刀してくださった主治医ともう1人の先生、
そして巡回の看護師さん。
皆、私のお腹を開けて、傷口を確認しては去っていく。
無抵抗な私のお腹を、ちょんちょんと触って。

管が繋がっている間は、看護師さんが身体を拭いてくれる。
もう、それは、全身。
その時にはすでに、見られることに慣れてしまっているから、
汗を拭いてもらえる、さっぱりできることの方が大事になっていて、
その時に、本当に「俎板の鯉」なんだな…と思った。

そして、自分の中に目覚めた感情は、

看護師さんは神!

である。

怖い看護師さんが一人もいない。
みんな優しい。
あんなこともこんなこともしてくれる。
困ったらいつでも言ってって皆が言う。
部屋に入ってくるときに、いつも、節を付けて呼んでくれる。
「○○さん♫」って。
それが心地いい。良すぎる。

大きな病院だから、多くの看護師さんに担当してもらったけど、
本当にみんな優しい。
これは、当たり前のことじゃない。

実は、入院中のもう一つの試練は、
ひどい便秘だった。
術後5日経っても6日経っても、全くダメ。
お薬を飲んだり、薬の量を増やしてみたり、
強いものに変えてみたり。
でも、本当にダメ。
食事は残さず食べているのに。

いつしか、看護師さんが巡回に来るたびに、
お通じ出た?
出ないです〜!が、合言葉のようになっていた。

入院9日目、流石にツラくて、
お腹が張って傷も痛くて。
主治医の診察時に強制排出命令が出た。
つまり、浣腸である。
お食事中の皆様、すみません。

その日の担当看護師さんは、笑顔で浣腸を持ってきた。
行くよー!って流し込んで、笑顔で去っていった。

こうして、私のヒドイ便秘は解消された。
まさか、こんなことで苦しむなんて思っていなかった。
痛み止めで感覚を麻痺させたりしていたから、
腸の動きが悪くなってしまうのは仕方ないらしい。
それにしても…
辛い日々だった。今も腸のお薬は飲み続け、
この後もしばらく飲まなければならないらしい。

どんなことも、回復までにはもう少し時間がかかるようだ。

今朝の部長先生の診察により、明日、予定通り退院する許可が出た。
初めて自分の中から取り出された筋腫の写真を見せてもらった。
なかなか立派なもの。

うちの病院では今年一番の大きさでしたよ、
と先生に言われたのだけれど、
先生、今年一番って言ってもまだ2月ですよ〜と返せるくらいには、
自分も元気になった。

夫が面会に来たので、院内コンビニでコーヒーを買って、ラウンジで飲んだ。
食べ物、飲み物の制限は無くなったので、すごくコーヒーが飲みたくなって。
熱かったり、Mサイズで量が多かったりで飲み切るのが大変だったけど、
なんだかホッとした。
怒濤の如く過ぎていった日々に一区切り付いた気がした。

やっと明日、外の空気が吸える。
無事に退院できますように。

その前に、最近お気に入りだった、最後の夜の院内散歩に行ってこようか。

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