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言葉と語感とラーメンズ#15 第12回公演『ATOM』前半

心やさし ラララ 科学の子。

『ATOM』全6作品中、前半3作品のお話。

1.上下関係

リーダーがうろたえてはいけない。みんなが不安になってしまう。威厳をもって、気高く、誇り高く…

どんな人がリーダーをやるべきなのか?
レビンのリーダーシップ類型論では、リーダーシップと集団の関係に注目し、①民主型②独裁型③放任型という3つの類型を示しています。
またリーダーの置かれる状況によって、有効なリーダーシップのスタイルは異なるという「コンティンジェンシー理論(状況適合論)」もあります。
この作品のオチを観ると、そのリーダー個人の根底にある「人間性」がいかに重要かを感じます。
立場によらず、「謙虚さ」というものが人として大切ですね。


2.新噺

一人じゃん!!

この噺にはいったい何人の登場人物が出てくるのでしょうか?
落語のようで、落語でない、新しい噺。
さて、「話」と「噺」の違いは何でしょうか?
「話」とは、「会話」や「談話」のように、いわゆるおしゃべりのこと。
「噺」とは、「物語」や「説話」のように、はなしを「語る」こと。
口偏に新しいと書くことから、その口ぶりと目新しさで相手を喜ばせる、という意味があるようです。
こんなご時世ですので、お噺も距離を離しておはなしを。
おあとがよろしいようで。


3.アトム

父親「え!?だって俺が眠ったのが昭和48年だから…」
息子「年号変わったんだよ」
父親「ええ!?」
息子「マジで」
父親「“マジデ”!?昭和の次は“マジデ”か!!…」

「卍」に「伝」で、マジデ。
令和になる際の新しい年号、密かにこれを期待していました。
たぶん実際になったら、「卍」とか書くのマジデ面倒くさそうですが。
二十一世紀の未来を夢見て、30年前から眠り続けていた父親と息子のはなし。
植木屋は、江戸っぽい。仮死状態維持装置は、未来っぽい。
語感には、どこか時代を感じさせる力もあるようです。



後半へ続く。

ではまた。

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