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月に一度の大爆笑より、日々一つの小さな笑い

オリンピック開会式、NHKプラスですべて見直しました。

特に最後の「50種目ピクトグラムパフォーマンス」、素晴らしかった。

紛れもない、小林賢太郎の演出でした。
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【NHK】開会式 ピクトグラム50個パフォーマンス! | 東京オリンピック

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テクノロジーがこれだけ進化しているにもかかわらず、
一見非常にアナログなパフォーマンス。
しかしこれまでの式典では前例がなく、世界でも「面白い!」と高評価。

リズミカルな音楽のペースに合わせて、キレのあるパフォーマンスをしたピクトさん。
これ、パフォーマーの人ほんとに大変だと思いますよ。
バドミントンの場面で道具を落とした時、思わずみんな「がんばれっ!」ってなったと思います。
それもみんなの一体感を出すための演出!?ではなかったと思いますが、あの大舞台で本当に素晴らしいパフォーマンスでした。
(BGMは、チェロの音からして徳澤青弦さんの制作と思われる。)
ちなみにピクトさんの正体、きっと分かる人は分かります。


やや話が逸れましたが、今回のパフォーマンスで注目すべき点は3つ。

①誰もが理解できる

言葉を使わないパントマイム。国籍や言語が違っても、子ども、大人、お年寄りも、みんなが分かる。

②誰も傷つかない

扱うパフォーマンスのテーマも、誰かを傷つけるものではない。小道具を使いこなし、「なるほど」と思えたり、カメラワークを使って「そんな風に表すのか」と思わせる。


そしてわたしが特に注目したのは、柔道→レスリングのところ。
投げられた柔道着をキャッチして、きちんとたたむシーン。
それだけでも遊び心が感じられます。
その場面で解説のアナウンサーが、クスっと笑ったんです。

③クスっと笑える

かれこれ大学生の時から十数年ファンですが、「あぁこれが小林賢太郎の笑いなんだ」って、ふと思いました。
この、「クスっ」という「小さな笑い」が、大事なんです。

きっと人間が生きていくには、月に一度の大爆笑より、日々のちょっとした笑いが必要なんです。
つらいことばかりの日々が続いたら、たとえ1か月先に大爆笑が待っていたとしても、心が耐え切れないかもしれない。
だから、何かちょっとしたことでもいい、少しでも心を軽くする笑いが、人間には必要なんです。

どの国の人も、どんな年齢の人も、障害の有無も関わらず、クスっと笑えること。
ちょっとでも笑顔になれる。面白い、楽しいという感情になれる時間があるということ。
それが毎日ちょっとずつでもあれば、明日も生きてみようと思えるかもしれない。

誰もが分かり、誰も傷つかずに、クスっと笑える。
それが、小林賢太郎の目指す笑いなのだろうと、誠に勝手ながら解釈しています。

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ピクトグラム(特に手のやつ)の元となる小林賢太郎作品
Potsunen『 ポツネン 』Chapter6「 Handmime 」


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