多くの大人が持てない「誠実さ」の話
15秒でわかる今日のポイント
●「誠実さ」とは「考えていること=口にしていること=行動」
●子供はそもそも「誠実」だが、大人になるとそれを失う
●子供が「誠実さ」を失う理由は大人の2つの言動にある
●子供に誠実な生き方をしてほしいと思う時、大人ができる2つのこと
先日夫と2人で「お2人様デー」をしたときの話。
※私は夫と月に1度2人だけで過ごす日を設けていて、その日を「お2人様デー」と呼んでます(詳しくはこちら↓)
私の夫は起業家や副業家を支援する仕事をしているのですが、彼が支援している起業家さんに教えている大事なことの1つに
「誠実さ」
というのがあるそうで。
起業家が持つべきとても大事な要素なんだそうです。
で、誠実さって何?と夫に聞くと、とてもシンプルな答えが即答で返ってきまして…
頭の中で考えていることと、
口にしていることと、
行動が一致していることだよ
とのことでした。
これって、とてもシンプルなことですが、実際周りを見渡してみたとき、「考えていること=口にしていること=行動」となっている人は数えるほどしかいないなぁと思ったのでした。
■「誠実に生きる」ってなに?
私が「誠実さ」について聞いたときに、一番最初に頭に浮かんだのは「働き方」でした。
例えば...
〇本当は、やりたいことがあって起業したいけれど、収入が減るのが怖いので踏み切れないでいる
〇自分が買いたいと思えないような自社製品を売っている
〇本当は今の仕事を極めたいけれど、家業を継がなくてはいけないので田舎に帰らなくてはいけない
こんな風に、頭の中で考えていることや思いが、行動になっていないことって大人になるほど多い気がします。
これって誠実さの定義を考えたとき、「誠実な生き方ではない」っていうことですよね。
頭の中にある「こうでありたい!」「こんなことをしたい!」が日々の生活、家族との関係や働き方など、公私において実現できている
そう思える「誠実な生き方」を我が子にはしてほしいと心から思い、考えたこと。
■子供はそもそも「誠実」である
先ほど、大人になるほど「考えていること=口にしていること=行動」が一致した「誠実な」生き方ができていないのでは?と言いましたが、
子供ってどうなの?と考えたとき、
そもそも子供ってすっごい誠実じゃん!!
と気づきました。
子供の頃って好きなことがしたいこと。好きなことがなりたいもの、でしたよね?
花が好きだから花屋さんになりたい!仮面ライダーが好きだから仮面ライダーになりたい!ママが好きだから、ママと結婚したい!
そう、多くの子供が夢中になれることをして、好きなことで生きていくことを当たり前のようにイメージしているんですよね。
でも、現実問題として「考えていること=口にしていること=行動」が一致していない、つまり「誠実な生き方」ができている大人があまりいないことを考えると、子供はどこかでこの誠実さを失うのだと考えられます。
それってどうやって失われるのでしょうか。
■「誠実さ」失わせる大人の言動 その①
私、中学生のころ親に「将来何になりたいんだ?」と聞かれ、「不思議発見(←TV番組です。知ってるかな?)のお姉さんになりたい!」と言ったことがあります。
それを聞いた親は、
「バカな事言ってるんじゃない!現実を見ろ!みんな歯を食いしばって食べていくためにやりたくない仕事でもしてるんだ!好きなことだけで生きていけると思うな!もっと安定した現実的な仕事を考えなさい」
と私に言いました。
これってまさに、
×考えていること=行動に移せることではない
と指摘された典型的な出来事です。
好きなことをしていては食べていくことはできない、すべきではない、現実的ではない
このメッセージって、「誠実に生きるなんて不可能だ」と伝えているに等しいと思います。
だから、死んだような眼をして毎日通勤電車に揺られている人たちがいたり、嫌いな仕事を歯を食いしばって続けている人が存在するんじゃないかと思います。
でもこれも実は親の愛情の表れではあるんですよね。それも今となってはわかります。
別に親は子供を打ちのめしたいわけではなく、子供に幸せになってほしいことはまず間違いないわけで。
ただ、その「幸せ」の定義が「安定」だったり「お金」だったり、子供に苦労させないための要素を考えた結果の発言だったりする。
このような親の愛情が故の「固定観念押し付け発言」は、悲しいことに「考えていること=口にしていること=行動」とはならないよ、という強烈なメッセージになったりします。
■「誠実さ」を失わせる大人の言動 その②
もう一つはやはり「親の生き方そのもの」ではないかと思います。
親が楽しそうに働いていない、歯を食いしばって嫌なことに耐えている姿は、口で何を語らずとも「好きなことでは生きていけないんだ」「思い通りの生き方はできないんだ」というメッセージになります。
よく、「来る日も来る日も家族のために、毎日遅くまで働いて、疲れた体を引きずって会社に行ってくれていたお父さん。子供のころはほとんど遊ぶこともできなかったけど…」なんて言葉が結婚式の花嫁の言葉で読まれたりしますが、
これって美談でもなんでもなく、そんな生き方をしている親の話が人生の一大ステージで語られるほどのインパクトを残しているということは、子供の人生観に大いに影響しているということで、
実は、大問題なのではないかとさえ思います。
■大人ができることってなんだろう?
人は「考えていること=口にしていること=行動」という「誠実な」生き方のほうが自然なんじゃないでしょうか。
それはとてもシンプルでストレートな流れです。
わざわざ人生を複雑で、不誠実にする必要はない。
子供たちにシンプルに、誠実に生きてもらうために、私たち大人ができることって…
①まずは自分たちが「考えていること=口にしていること=行動」となるような生活の仕方、働き方をすること
②子供の「したい」「やりたい」「こう思う」をどれだけ現実的でなくても、一度は受け止めてあげること
これだよね、と。
私の親は「不思議発見のお姉さんになりたい」と言った私に何を言えたんだろう?と、時々考えるのですが、
やっぱり、「それは素敵な夢だね!どんなところがいいと思うの?そうなるためには何ができるのか考えてみたら?」じゃなかったかなぁと(少なくとも私はそう言いたい!)
〇どんなところがいいの?→子供自身がどんなことに惹かれるのかに気づき、「不思議発見のお姉さん」以外にも同じことが実現できる仕事に気づくかもしれない。
〇そうなるためには何ができると思う?→具体的な行動に落とし込むことはモチベーションにつながる。そして、やりたいことを実現するための思考の訓練にもなる!
子供の「したい」「やりたい」を受け止めること。できれば子供の考えを広げることも親ができる支援の1つだと思うのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?