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地方公務員から人材業界へ転職~将来に思うこと~

6年勤めた地方公務員を私は辞める決断をしました。
そして、次の転職先では地方公務員とは社風や志向も何もかも違う大手人材業界を選びました。

真逆と言ってもいいほど全然違う世界に行くことに関して、不安と好奇心が入り混じった気持ちでしたが、転職活動当初、自分自身も人材に行くことなんて全く想像していませんでした。むしろ、自分の武器(強み)が何かさえも気づいていなくキャリアに対して無知でした。

ただ振り返ってみると、「今」は過去の自分が無数の無意識と意識的な選択の繰り返しの結果だと思っています。私は転職活動を機に、自分のキャリアを改めて見つめ直すことができてよかったと思っていて、今では今後やりたいことも見えてきました。

私と同じ選択が他の方にとっても良いものかというと必ずしもそういうわけではないと思いますが、少しでも自分のことを振り返ってみたり、今後を考えてみたりできる内省のきっかけになるのであれば嬉しく思います。

【目次】
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1. 地方公務員になったきっかけ
2. このままでいいのかな…?
3. 自分の武器(強み)を知る
4. 転職とその後
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《1.地方公務員になったきっかけ》
大学3年生の頃の就活時、率直に言うと私はこれといってやりたい仕事がありませんでした。そんな私が公務員を目指したのは祖父母の夢を叶えたいと思ったことがきっかけでした。
小さい頃から私は祖父母に育てられ、「安定するには公務員が一番いいよ、そうなってくれたら嬉しいな」と話していたのを今でも覚えています。
親代わりだった祖父母が大好きで、2人にとって誇れる孫でいたいと強く思っていたことと、地域の属性上かもしれないのですが、公務員になれば将来安泰であると周辺に住むみんなも思っており、そして私自身も当時本気でそう思っていたからこそ、公務員ほど魅力的な職業はないと思い、公務員を選択しました。

今思うと、祖父母の想いを叶えられたことで、公務員に入ることが自分のゴールになってしまっていたと思います。

≪2.このままでいいのかな…?≫
最初に違和感を感じたのは、3年目に戸籍係に異動になったときのことでした。

それまでは窓口業務として、ある程度の知識を習得してきた私は戸籍に特化した専門業務をやれることでさらに知識を増やし自身の成長につながることを嬉しく思っていました。実際、業務は法務局や家庭裁判所等と連携をしながら対応しなければならないことも多く、専門的で難しくもあり、同時に深く知れることにやりがいを感じ、やる気でいっぱいでした。
・・と同時に他のメンバーとの士気が違うことに気づき始めました。

これが違和感なのですが、この部署は若い女性の数が非常に多いため、結婚し産休に入る方、育休明けの時短勤務の方が半数以上であり、職員の入れ替わりが激しい状況でした。さらには、療養休暇明けの方の復帰のためのリハビリ部署としても使われていました。

そのため、必然と職員の頭数は多くても、実際に業務できる人は少なく、できる人やフルタイムで働く人に対して業務のしわ寄せが多くなってきます。
私はその人たちを批判したいのではなく、「その体制で良し」とする人事体制に違和感を感じてました。

私は戸籍という業務自体は好きでしたが、公務員という特性上、評価制度が年功序列であるが故に、自分よりも年齢の上の方のためのサポートをしても、その方の年収には及ばず、また、月並み以上の仕事をこなしても何も変わらないことが嫌だったため、それならばいっそ違う環境に行きたいと思い、他部署への異動希望を申し出ました。

結果としては、他に仕事をこなす人がいなくなってしまうことは困るので、もう少しいて欲しいと上司から止められてしまいました。
私は係を異動したことはあっても部署を異動することは新卒で入って1度もありませんでした。これはこの市役所としては異例であり、そのことが今後の自分の将来を大きく見つめ直すきっかけにもなりました。

そこで、地方公務員としてこの市役所に居続けた場合どうなるのか考えてみました。今までの人事の動きを見ていると、この部署に長く居続けるということは、たとえ数年他部署に異動になったとしても役職がついた際に必ずこの係に戻ってくることが容易に想像できました。
実際に当時の係長、前の係長、そしてその前の係長も戸籍経験者でした。

私は先が読めてしまった自分の将来を考えたとき、私は何がしたくて地方公務員になったのだろう…と急に目の前が暗くなったように感じました。

そして、転職という言葉がちらつくようになりました。

≪3.自分の武器を知る≫
とはいっても、転職はどうすればいいか漠然としていてイメージがわきませんでした。誰かに相談したくても、この安定と言われている地方公務員からわざわざ転職したいと思う人もいなく、時間だけが過ぎていきました。
そんな時、ふと頭に浮かんできました。

公務員って本当に安定?

昔から公務員は安定と言われてきましたが、
今や人口減少でどんどん税制が厳しくなるなかで、自分たちが定年まで働くのに存続している可能性はどれだけあるのかな・・・
仮に存続していたとしても管理職になった時に今と同じ年収を担保できるのかな・・・
もし公務員に新たな退職制度ができ、退職を余儀なくされた場合、自分は次にどこで働く力があるのかな・・・
自分を求めてくれる企業なんてあるのかな・・・

私は自分の専門スキルが戸籍という知識だけに閉じており、その他何一つ戦う武器を持っていないことに気づきました。
だからこそ、まずは自分の武器が何かを知り、磨いていきながら、目まぐるしく変化していくであろうこの社会で生きていくためにも、人の可能性を広げたいという思いが芽生え、人材業界へと転職を決意しました。

≪4.転職とその後>
転職してからの私は何もかもが違うことに当初は驚きと不安が大きく、仕事を続ける自信を失いかけていました。

また、営業に対する理解もなく、本当に0からの再スタートだと知り、生まれて初めてビジネスという感覚を味わいました。

辛い時期もありましたが、そのたびに何のために転職したのかを思い出しながら、「あと1ヶ月頑張ろう」そして、1ヶ月過ぎた時には「あともう1ヶ月頑張ろう」としているうちに次第に環境にも慣れてきて、今では新しい発見があることに喜びを感じる余裕も少しずつ出てきました。
また、私の場合は周囲の人間関係にも救われた部分は大きいと思っています。本当に大好きなメンバーに恵まれたことは幸運だったと思います。
そして、今思うこと。

人材業界で働いたことで、公務員の時よりもさらに何をもって安定かなんて判断できないと感じています。
すなわち、安定した企業で働くことは誰にも保障されていなくて、たとえ今の企業を退職したとしても他で通用するスキルを磨き続けなければいけないと思っています。
自分の将来を守るために生きていくために、自分で生き抜く力を身につけていかなきゃいけないと感じています。
遅いなんてことはなくて、気づいた時がチャンスだと思っています。

まずは、自分の可能性にとことん向き合い、自己理解を深めることが第一歩かなと思っています。

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