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<一級建築士試験におすすめ>建築基準法を読みこなすコツ

 一級建築士の学科試験「法規」の勉強をしたいけれど、法令集を全く読んだことがなく不安、もしくは、読んだけどよく分からないという建築学生や建築技術者におすすめの本があります。

 僕の過去の記事でも書いたことなんですが、一級建築士の「法規」試験は、法令集と過去問だけでも勉強は可能なため、必ずしもテキストを使う必要はないと思います。なぜなら、法令集自体がテキストとしての役割を果たすからです。ただし、法規というのは、独特の書き方がされており、取っ付きづらく、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。そんな時にこの本は勉強の手助けになるかと思ったので紹介します。

 タイトルのとおり、建築基準法を読みこなすコツが書かれている建築技術者向けの実用書です。建築基準法のレクチャーをそのまま書き起こしたような分かりやすい話し言葉で書かれております。留意いただきたいのは、一級建築士試験を意識して書かれた本ではないため、いわゆる参考書として使えるというわけではありません。しかし、法規の勉強の取っ付きづらさを解消するのには役に立つと思います。法令集での勉強を始める前や、勉強の合間の気分転換に読むのがおすすめです。

 この本の良いと思った点は、まず、建築基準法に限らず一般的な法規がどんなものなのか解説している点です。例えば、条文の枝番号(…の2、…の3)、項や号のルール、法律用語(及び、並びに など)といった基本的なことです。法規自体読むことが初めてだという人には、大いに役に立つと思います。

 また、他の良い点は、法規試験の勉強をしたことがある人が難しいと感じたであろう「法規勉強あるある」が詰まっている点です。法文を読むときに気を付けた方が良いところを指摘してくれています。例えば、延べ面積不算入の限度について書かれている条文の場所が分かりにくいこと(令第2条第3項)とか、内装制限が「否定の否定」になっちゃっていること(令第128条の4)です。僕はこの本を読んで「あ、この条文、紛らわしいなと感じていたのは自分だけじゃなかったんだなあ…。わかるわかる。」と感慨深い気持ちになりました。みんなが難しいと感じている部分なんだと分かれば、「しょうがないから頑張って覚えるかあ」という気持ちになりません?

 法令集で勉強していて行き詰まったときに、この本を読んでみるとスッキリするかもしれませんよ!

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