『にょにょっ記』『現実入門』 穂村弘
JUNE 16, 2018 Instagram掲載
私と穂村弘 「穂村さんのエッセイ楽しいな〜、くすくす、かわいいな〜、いつも通り」
いつも通り、という感想が出てきてしまった。一冊一冊に「天使(奥さん)もかわいいな〜」「穂村さんが献血を体験するとこんな風に思うのか」とは思うけれど、感想を新しい切り口で書けない。
約2ヶ月で14冊、穂村さんとその関連本を読んだからだ。だからここで「私と穂村弘」を振り返ってみよう。
出会いは 花田菜々子 さんの『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと 』の中で、穂村弘さんがヴィレヴァン同僚と話題になっていたのだ。その本を読んでみたらクッソ面白かった。
彼のどうしようもなさ。着眼点の面白さ。本や漫画、そしてモノへの度を超えた執着と愛情。そして短歌三十一文字の裏側に秘められた想いや技巧の壮大さ。
こんなにダメなところをさらして大丈夫なんだろうか…と心配になるほどの自分公開ぶり。
会社から帰ってコートも脱がずトイレも我慢してネットオークションにかじりつく。お風呂も数日入ってない、寝てない。好きなものにかけるエネルギーのすごさ。社会人としてやっていけなさそうなバランスの悪さ。
このありのままの姿に、私はホッとした。この人はこうなんだ。この人はこうするしかないんだ。私、ダメでもどうしようもなくてもこの人好きだわ、と思った。
私も、はたから見て変わってるかもしれないしバランス悪いけど、好きなものは好きだし、嫌なことはできない。できないものはできない。もっと器用にできればよかったけど、できなかった。私は不器用で、いびつで、そんなもんだ。でもまあいい。もういい。そういうもんだもの。と思えた。
自分を許せたっていうか、受け入れられたのは、穂村さんのおかげ。ありがとう、穂村さん。
21. 『にょにょっ記』 穂村弘
22. 『現実入門』 穂村弘
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