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『人生を変えるクローゼットの作り方』 ベティ・ホールブライシュ

ニューヨークの五番街にある百貨店、バーグドルフ・グッドマンには90歳(発刊当時)のパーソナルショッパー別名「買い物セラピスト」ベティ・ホールブライシュがいる。その彼女の半生記。日本語タイトルが示すようなクローゼット整理のテクニック、例えば「1年着ていない服は捨てましょう」「シーズンや色ごとに分けてしまいましょう」といったことは書かれていない。私だったら手に取らなかっただろうタイトルの本は、アパレル業界で働いていたバーのマスターがくれた。

40代後半から始めたこの仕事では親子三代にわたる顧客も多いそう。彼女に寄せられる相談はファッション(次の船旅に着るワードローブを選んで)にとどまらず、良いクリーニング屋、歯医者は?学校は?家族関係へのアドバイスと言った人生全般におけるもの。似合わないものは似合わないと言い、買いすぎを止めたり、わがままをはねつけたり、正直で独特のユーモアを持つ彼女は顧客やデザイナーから絶大な信頼を得ている。ファッションデザイナーとして成功するには、彼女の仕事場であるバーグドルフ・グッドマンに服を置かせてもらわないことには始まらないという。このデパートを舞台にしたドキュメンタリー映画
ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート』
には、もちろん彼女も登場する。

彼女の仕事はデパート顧客にとどまらない。私も大好きな『Sex and the City』『プラダを着た悪魔』のスタイリストと一緒に活動するなど、映画やドラマなどのスタイリングも手掛ける。

彼女はもともと裕福な家庭に育ち、裕福な男と恋結婚し、子供を産み、そして精神病院に入院したりする。富裕層だから参加できる世界、触れられる上等なものが確実にあって、そこが正直うらやましくイラっとする箇所もあるけれど、かといって彼女の人生が順風満帆ではなくつらいことも悲しいことがあるのがわかる。英語版原題は『I'll Drink to That: A Life in Style, with a Twist』で "with a twist"とは「波乱万丈」という意味らしい。全部のみこんで、おばあちゃんになっても美しく毎日仕事をし続ける、というのは間違いなくかっこいい。

183.『人生を変えるクローゼットの作り方 あなたが素敵に見えないのは、その服のせい』 ベティ・ホールブライシュ

楽天ブックス 『人生を変えるクローゼットの作り方』 ベティ・ホールブライシュ

2020年読んだ本(更新中)
2020年読んだマンガ(更新中)
2019年読んだ本:77冊
2019年読んだマンガ:86冊
2018年読んだ本:77冊
2018年読んだマンガ:158冊

#人生を変えるクローゼットの作り方 #ベティホールブライシュ #バーグドルフ・グッドマン #NY #ファッション #読書   #読書感想文


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