『ガラム・マサラ!』ラーフル・ライナ
女と美容師の会話。
私、今つまらない本を読んでいて。読み進めるか、止めるか迷っていて。
面白いね、人生みたい。
1/3読んだところで気づいたんです。この本、愚痴ばっかりだってことに。半分まで読んでもそうで。主人公はチャイ屋の息子で父親に殴られながら、学校に行かずスパイスをすりつぶして暮らす。ひょんなことから教育を受ける機会に恵まれて、その後替え玉受験のビジネスを始める。今回のクライアントもバカ息子で、要は幼少期も今もくそったれ、っていうことがずっと書いてある。本の半分あたりで事件が起きるんです。私はてっきり主人公の機転で切り抜けるかと思ったら暴力で切り抜けようとしていて。
うん。
まぁ何だって良いんだと思うんです。スパッと読むのを止めても、最後まで読んでも。本当につまらないか確認してもいい。もしかしたら面白くなるかもしれないし。期限を決めるのもいい。家に帰れば別の本もあるし。別の楽しいことをするとか、他のオプションができるまででもいいし。
その本が今手元にあるって何か縁があるんだろうね。
そうなの。最初から面白い、夢中になる本がいつも来ればいいんだけど、いつもそうとも限らない。
後になって伏線に気付くこともあるしね。こんな話をしてるのって、自分たち、すごい信頼関係がある状態じゃない?
そうね。あぁ、この本からこんな話になるなんて。縁があったんだね。
『ガラム・マサラ!』ラーフル・ライナ
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