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『サードドア: 精神的資産のふやし方』 アレックス・バナヤン

スティーヴン・スピルバーグ、ビル・ゲイツ、レディ・ガガ…彼らはどうやってビッグになったんだろう?そのきっかけを聞きたい。でもそんな本はない。「いっそ自分で書く?」と18才の彼は思いつく。親はイランからの移民で、息子を念願の医師にしようと大学に送り込まれたが、全く試験勉強をする気が起きない。そんなコネもお金もない彼は有名人たちのインタビューを実現していく。その後アレックスは19歳でシリコンバレーの投資家になり、フォーブス誌「30歳未満の最も優れた30人」、ビジネス・インサイダー誌「30歳未満の最もパワフルな人物」として選出される。さて、どうやって?すべてはこの本に。

ナイトクラブに行くとする。「ファースト(1st)ドア」は普通の料金で並んで入る入口。「セカンド(2nd)ドア」は有名人やお金持ち、VIPが使うドア。並ぶ必要なんてない。タイトルの「サード(3rd)ドア」は裏口のようなところ。調理場のドアのようなわかりにくく、大半の人は気にかけない入口。でも絶対に存在する。でかいことをしようとする人が努力をするのは当たり前。その上で抜きんでるためには、頭を使って「サードドア」を開けなければ。自分の経験でもあるけれど、数少ない僥倖が起きたのは、サードドアが見つかって、そこを開く勇気があった時。周りを見てもめきめき成長していく人は正攻法だけではなくて、頭を使ってサードドアを開けている。

バナヤン君の初期のサードドアはインタビューの資金集め。大して見たことのないアメリカの有名クイズ番組に出場して賞金をかっさらう。番組関係者に出場者として選んでもらうにはどうしたらいいか、ルールのわからないクイズでどうやって勝てばいいのか。スピルバーグと話すためにどうやって会場に潜り込むのか。読んでいるだけでドキドキするし、うまく行く時は胸がすくほどの爽快感。でもこのバナヤン君はほんっとうに断られまくり、失敗しまくる。Google創業者のラリー・ペイジに勇気を出して話しかけたのに話を続けられない。伝説の投資家ウォーレン・バフェットの株主総会で赤っ恥、信頼している人の裏切り・・・と読んでいるこっちがつらい。(私だったら1日目で辞めている)現代のリアル冒険物語がここにある。

この本を知ったのは、元2ちゃんねる管理人ひろゆき氏のインタビュー。(このインタビューだけでも面白い)その効果もあってAmazonでベストセラー、街の書店でも平積みになっている。9/19には、お子さんが生まれたばかりのはあちゅうさんのインタビューも載っていた。とても上手なプロモーション。

142 『サードドア: 精神的資産のふやし方』 アレックス・バナヤン

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