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唯一無二の自分が現れるとき

noteやFacebookで「社会保険労務士試験を受けたことがあります」と書いたところ、「え!恭子さん社労士目指していたんですか!?」という声を多くいただいた。

その投稿はこちら↓

私はフリーになる前、会社員を18年やっていたが、一番長く携わった仕事が人事労務なのだ。実はキャリアの中で1番専門性が高いと言えるのだが、これまであまり表では話してこなかったので、今日は少しそこに触れてみようと思う。

会社の規模は従業員が800名ほど。関連会社も含めると1000人を超える大きな会社だったが、その割にはシステム化が進んでおらず、私は1000人近くの社会保険業務をほぼひとりで、しかも昔ながらの手作業で担当していた。(さすがに今は便利なシステムが導入された模様)

メーカー企業だったが、商品の開発、設計、製造、販売、物流、メンテナンスを全て自社で行うという珍しい企業だったので部門によって適用される労働法規や保険の種類などが異なり、さらには従業員の年齢も10代〜70代と幅が広かったため、労務はかなり複雑なものだった。

「人事」と聞くと人員配置や社員教育を担うセクションというイメージがあるかもしれないが、私がしていたのは非常に地味な事務仕事である。

面倒くさくて小難しく書かれている労働に関する国の決まりを理解し、覚え、従業員のみなさんに分かりやすくお伝えすること。その人の状況に最適な制度を提案し必要な手続きを代行すること。それにより働く人たちが安心して自分の仕事に専念できるようにすること。それが私の仕事だった。

「人の事」を扱うからこそ、誠実に、丁寧に、心を尽くす。

書いていて気づいたが、このスタンスは算命学を伝える今もやはり同じだ。私の根幹にある信条と言える。

人には本当に多くのドラマがある。

うれしいこともあれば予期せぬことも。

従業員はもちろん、その家族にも関りながら入退社、結婚、出産、育児、療養、引退(年金)、死亡と人の人生に大きく影響する様々な場面に立ち会わせていただいた。

そして、この多岐にわたる事務を機械に頼らずほぼ手作業というアナログな方法で行っていたため、本当に、本当に、鍛えられた。笑

フリーランスとなり、最初に提供したサービスは潜在意識を扱うヒプノセラピーだった。そして今は算命学の鑑定をしている。

全くの異業種に転身したように見えるかもしれないが、「人生に関わる相談を受ける仕事」という意味では、ヒプノセラピーも算命学の鑑定も、私の中では人事の仕事とさほど違いはないのだ。

現在のご相談として、「仕事が辛い、辞めたい、転職したい、好きなことで独立したい」という内容は実に多い。

人生の転機を感じながらも様々な葛藤があり、前へ進めない状況が苦しいのはとてもよくわかる。だがその時に行動を止める要因のひとつに「仕事をやめて生活できるか不安」という現実的な項目が大にしてあるのだ。

そういう相談者様には、仮に退職した場合、受け取れる雇用保険の額や期間、療養中に受け取れる給与補償、保険料を抑える最適な選択、などをお伝えすることもある。

一定期間ではあるが具体的なお金の見通しが立つと、その間に休養することや、転職や独立に向けて準備ができるということもあるからだ。

生活費は大事である。特に家族がいる人にとって仕事を変えることによる影響は自分だけにとどまらない。だからこそ「運勢的に、今タイミングですよ!やりたいならやっちゃいましょう!!」とは私は言わない。いや、言うこともあるが本当に、その人の状況による。

だが、自分の味方になる社会保障制度を利用することで「あ、やれる!」という状況が作れるのだとしたらこんなに簡単なことはない。

これは超絶、現実的な他力である。潜在意識も、宿命も関係ない。

(話が逸れるので割愛するが、日本の社会保障制度はなかなか手厚い。苦しさばかりがクローズアップされがちだが実際は国民に優しい国だと思う。みんな知らないだけ)

そして、この他力をお渡しできるのは間違いなく、大企業で経験を積ませてもらったからなのだ。本当にありがたい。

社労士を目指した理由はいくつかあるが、その中に「雇われるのではなく自分で仕事をしていきたい」ということと、たくさんの働く人を見てきたからこそ「誰もが自分らしく幸せに働くことができるようサポートしたい」という想いがあった。

どうしたらそれができるかを考えたときに既に持っているスキルを生かすことができそうな「社会保険労務士」を選んだのだった。

ちなみに、この頃既に算命学の存在を知っていたので、いずれは社労士×算命学で開業できたらと妄想していた。働く環境の基盤になる「就業規則」を会社の業種や社長、従業員の本質を見た上で作ることができたらみんな働きやすくなるはず、と算段していたのだ。

結果は先にも述べたように社労士資格を諦めることにしたのだが、それでよかったと今は心から思っている。

もし、資格にしがみつき受験生を続けていたら私は今でも雇われながら「いずれ」の最中だったかもしれない。

だが今は「雇われるのではなく自分で仕事をしていきたい」ということも「誰もが自分らしく幸せに働くことができるようサポートしたい」ということも、算命学と人事労務の経験から叶えられている。

それに社労士の場合は「企業で働くこと」に関する仕事に限られるが、今はもっと幅広く人生に関わるご相談に対応できるようになっているではないか。それが本当にうれしいし楽しい。

算命学は奥が深い学問なのでまだまだ知りたいことが多くある。だが、目標は1000時間!などと力まずも、いくらでも勉強していられる。好きな学びに時間が使えるというのも幸せなことだ。

二度の受験は驚異の低合格率により完膚なきまで叩きのめされたが、私が未練なく諦めることができるよう神様は粋な演出したのかもしれない。

こうして私は労働法規や社会保障制度に強い算命学鑑定士となったわけだが、よく考えたらこんな鑑定士はあまりいないのではないだろうか?これは私の強みとしてもっと前に出していいのかもしれない。

人生の経験は余すことなく全てが肥やしであり、その肥やしによりいつの間にか唯一無二の自分が現れる。

そしてやはりこれも、一朝一夕ではなく日々の積み重ねでしかできないことなのだ。

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