『トガハラミ』

このコロナ禍、昨年予定していた劇団公演は延期とし、仕事はなくなり、押し潰されそうな閉塞感の中で、それでもなんとか息ができていたのは、ラジオアプリやzoomなどで本読み会や朗読配信の場を作ってくれ、招き入れてくれた仲間がいてくれたからでした。
またもや感染者が急増し、マンボーとかヤンボーとか←あれ？地方ネタ？訳の分からない言葉遊びに振り回されて、先行きが不透明になりつつある今。思い切って、私なりに、手の届くものを使って自分なりの作品を作ってみようと思いたちました。
そんな話をぽつりぽつりとご縁ある現役の拝み屋でもあり実話怪談の名手郷内心瞳さんにしていたところ、あるとき送ってくださったのが、この「トガハラミ」という物語だったのです。
2020年9月小説現代に掲載されたこの物語は、今までの郷内作品とは一線を画した物語でした。
郷内さんの作品は今まで、その職業で出会ったお話を蒐集し、独特の語り口でまとめ上げた実話怪談でした。でもこの『トガハラミ』は、、、
読んで、すぐに郷内さんに電話しました！すごいです！素晴らしいです！
すると郷内さんが、仰ったのです。
コマイぬのお二人と、吉水さんでぜひ作品にしてくださいと。
今のご時世ではあるけれど、貴方達演劇人にしかできないこともきっとあると思うんですよ。
この一年、その言葉をずっと心に秘め、でもなかなか動き出せずにいた私に、今度は郷内さんが送ってくださったのが、この原画の写真でした。
舞台化したら、ぜひフライヤーに使ってください。山下昇平さんにお願いしたのでと。
引き込まれました。そして、郷内さんの私たちへの熱いエールだと感じて胸が熱くなりました。

本当は今すぐ舞台用に作り上げて、宮城に届けたい！
でも今はそれもなかなか許されない状況です。ならばせめて、今できる最大限の力でこの作品を形にしてみよう。

不慣れで、デジタルに強いとも言えない私に、どこまでできるか全くわかりません。
ひょっとしたら、うまくいかないかもしれないし、とんでもなく不恰好なものになるのかもしれない。
それでもそんな私の不恰好な熱意に、素晴らしい俳優陣と、心強いカメラマンさんが集まってくれました。

まずは最初の一歩を。

https://stand.fm/episodes/60742da98271d6b05956a04d

芝居屋風雷紡✖️コマイぬ
『トガハラミ』線上編
まずは、stand fmから第一夜の初録りです。
どうぞご試聴くださいませ。

https://sekaiseihukunotabi.wixsite.com/togaharami