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いつの間にバラの街@よこはま探訪

 “きっと連休中は混むよね”
と、連休前の平日に横浜のバラを見に行ってきた。
横浜はいつの間にかバラの街になっていて、港の見える丘公園と山下公園を中心に街中にはバラの花が咲き誇っている。今年は晴天が続いたので開花がいつもよりも早く、5月3日から始まるローズウィークの前に満開を迎えてしまっていた。

 港の見える丘公園は、インスタに上がっている綺麗なヨーロッパ風庭園や、バラのアーチが連なる写真を見たのをきっかけに行ってみた。庭園は素晴らしかったけれど、35キロを超える大型犬のカイ君を連れて行ったものだから優雅にバラを見ている場合ではなかった。その日は午後から気温が上がったために日陰を探して歩かなければならなかったし、人が多い場所でのカイくんはそわそわして興奮しがちなので油断ならない。楽天的で能天気な性格の犬種で、「かわいい〜」と言ってくれるお姉さんには喜んで飛びつくラテン系だし、スレ違うお散歩犬にガウガウされた日には売られた喧嘩は買うタイプ、ガウガウ応戦してしまう。
 大型犬に引っ張られながら歩いているとゆっくり写真を撮っている余裕はなく、たまたま目に入った風車の前で何枚か撮った。帰りにもなぜか風車の付近で写真を撮ったのだけれど、帰宅してから調べるとそこはフランス領事館(legation)が建っていた場所だった。明治29年に建てられたフランス領事館は「極東一の素晴らしい名建築の一つ」と言われるほどゴージャスで、揚水用の風車も実際に備えていたらしい。

港の見える丘公園



 港の見える丘公園は、もともとフランス領事館と領事館邸、そしてイギリス総領事館と領事館邸があった場所で、その更に昔は両国の軍が駐屯していたそうだ。現在は横浜市が買い取り、フランス領事館跡地がフランス山公園に、イギリス領事館跡はイギリス式庭園とされ一般に開放されている。
幕末に横浜が開港された時代、アメリカ、イギリス、オランダ、ロシア、フランスから人が入ってくるようになり外国人居留地が設けられ、そこに外国人が住み始めた。その名残で、居留地があった山手地区には西洋館、外人墓地、修道会が建ち、街並みや建築物にはどこか異国情緒があり、東京では感じられない西洋文化の香りが漂っている。私が通っていた学校も元を辿れば、この時期に布教活動のためにフランスから横浜に移住したフランス人のシスターが創設した学校なので、このエリアに特に縁はないとは言え自然と興味や親近感が沸いてくる。

 そう言えば、日本語で使われている外来語のほとんどが英語ベースだけれど、「パン」は横浜でフランス人のためにパンを作っていたことから、フランス語の「Pain=パン」がそのまま根付いたと聞いたことがある。日本で言うフランスパンはバゲットのことで、フランスで言うパンはカンパーニュ風のパンだったりするので、多少の食い違いはあるけれど。

 港の見える丘公園を見た後は山下公園に移動してみると、氷川丸の前にカラフルな巨大バラ園ができていた。なんだかいつもと違う山下公園は、港の見える丘公園に比べて平面的な庭。階段があって高低差の出せる立体的な庭には負けるけれど、真っ青な海を背景に広がる満開のバラも、なかなか迫力ある光景だった。
良いゴールデンウィークを!

山下公園

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