Kyoko

サバイバー。乗り越えて笑うための雑記。 心と体の病気。 リハビリで詩を書きます。 エジ…

Kyoko

サバイバー。乗り越えて笑うための雑記。 心と体の病気。 リハビリで詩を書きます。 エジプトとトルコに行きたい。

最近の記事

魂は馬鹿でありたいようだ

確かに 綺麗事なんです、所詮 でも生きていくってそういうことでしょう? それなら 茶番を思いっきり演じきろう 絶望のなかに希望を 悲憤のなかにゆるしを見出す お人好しなピエロ 愚鈍で馬鹿な信仰だけが まっすぐな心を育むのだろうか その浅はかな魂が 光へと導かれるとき ピエロはやっと笑う 深慮は傲慢であったと

    • きょうがはじまる

      どれほどの苦しみかを伝えるためには 新しい言葉が必要でしょう 悲しみと恐怖と恥と痛み 身体中がぐるぐると渦を巻きながら ここが地獄ではないのか 「わたし」は極限まで小さくなって見失われて かと思ったらつぎの瞬間 全てが「わたし」になる わたしは「わたし」に呑み込まれて ただ 死にたい 死にたい と強く渇望して しかしその苦しみは死んでも逃れ切れるものではない と感じるほどに 苦しんで苦しんで苦しんで 神様に願う それなのに また新しい朝日が昇る

      • 世界は記憶する

        覚えていますか 私とあなたとの出会いを 覚えていますか 好きな音楽を 覚えていますか 木漏れ日の中の散歩と最も個人的な契約を 覚えていますか 私とあなたがともにいたことを 忘れてしまっても だいじょうぶ だいじょうぶ だいじょうぶ 何も無くならないから 安心して忘れてね

        • 暗闇をぬけてまた

          もう疲れてしまったから 優しい人の中で息をしていたい まだ諦めきれないから 光のある中を歩いていきたい 波の中でたゆたうように ただ生きていきたい 傷だらけの体に染みるいのちに 泣きながら 希望の花をこころに咲かせたい

        魂は馬鹿でありたいようだ

          安息の地へ

          こんなにも醜悪であることが 恥ずかしかった 罪に塗れて 悲しみと憎しみそのもの 悠久のときをかけて まっさらに清められるものがあるならば 反対に その分だけどろどろに濁って あの恐ろしい 「化学物質」なるものになって 生命を枯らすものがある どんな道を往けば 正しいのだろうか この汚れた精神は どこへ向かえば 暗闇の中を 咽び泣きながら 這いつくばって進み ときに止まって 呆然と立ち尽くした ときに自らと見分けのつかないような汚い沼の中に落ち 精神にとって唯一

          安息の地へ

          憂鬱なうた

          振り返るとながい時間 本当にながい時間生きてきた そのことを思うと 誇りではなく空虚さを覚える 毛虫のような単純ないのちであったら どんなに簡単だったか 不可逆なことばかり 押し込められて歪められた 何度も そうやってストーリーは煩雑になり 分かり合えなくなっていく ただ存在することに縋って なにも生み出さなかった 大切なものは幼きころに散ってしまい 無意味に息をしてきた 疲れ果てて 終わりを探している

          憂鬱なうた

          天からの恵み

          一面の美しい花畑が きまぐれな大雨によって 乾いたこの地にあらわれた 「希望のとき」 ぼくは 君の涙の香りを辿る はずだったのに 君は既に 悪魔に取り憑かれていた 乾いた大地の上に乾いた血の容れ物がある ああ 君にとって 生まれてきたことがほんとうに大きな不幸となってしまった 君に贈られた繊細さは くだらない正義感と信頼と自己中心さは 成熟を待たずに 生存のため覆い隠された 束の間の恵みを享受するその花畑に もう君のこころは機能しない 君がこれ以上傷つかずに済

          天からの恵み

          パラレルワールド

          かみさまを待っていた 幼き日 あの頃の夏休みを思って 永遠に感じるほどのときに くらくらと目眩をおこす 何も変わらなかったのだよ そればかりか 絶望はふかくふかく 年を重ねるごとにくっりきと刻み込まれてしまった 夏の日 そろばん塾の前にあなたは確かにいた 湿気にまみれて丈夫な体で つっ立って息をしていたね あなたはもうかみさまに会いましたか? あっという間に大人になってしまったよ かなしみの中で ますます弱くなったのだよ 救いようのないわたしをみて どうか泣かない

          パラレルワールド

          いちじくの木のもとで

          灼けるような大地のうえで 少女は真実を探していた さらさらと足を撫でた 砂と風をうしろに置いてきた この世界に生まれた時から 安全ではないと感じた ほんとうのことを探求する 「癒し」 それ以外にはなにも知らなかった すれ違う行商人は じろじろと少女を見た 少女は 汚れた水によって内側から腐る いちじくの木のように静かに朽ち果てたかった のだけれど ジリジリと照りつける太陽に 熱せられた砂 その上で蒸発したのは キオクとコトバ 記憶と言葉 彼女は死んだ いち

          いちじくの木のもとで

          わたしは自由

          おそれを捨てて 不安に打ち克ち ただ遠くへ遠くへと 落ちこぼれのきみも 病気になったものも 迷わずに出発する いのちを繋ぐたった一つの方法だから ずっと昔から受け継がれてきた遺伝子によって 強制的にそれらは旅立つ わたしは わたしが何者なのかもう知っている 風にのってどこまでも飛んでいかなければならない 植物の種子のように

          わたしは自由

          はるがくる

          これが このチューリップが このチューリップという花が チューリップという花だと誰が証明できよう チューリップであるには違和感があって かといってそれ以外の何にもなれない ことを知ってか知らずか チューリップはチューリップであろうと 努力しているのだけれど 無垢な子どもの声が 存在を疑うとき チューリップはひどく恥じて 混乱して 自分を守れなくなった 引っこ抜かれて放置されて ずたずたに踏まれて 痛い痛いという声も出ずに チューリップはただ 痛い痛いと思ったのだ

          はるがくる

          こんなところで熟れました

          いつからか まるが 詰まっています 喉に詰まったとき 運よく死ななかった 真っ赤なまるの隙間から 息を吸って 真っ赤なまるの隙間から 息を吐いてます 真っ赤なまるの隙間から たべものを飲み込んで 誰か背中を叩いて!! もしくは ハイムリック法 ぽんっと 林檎が出てきました もとは青林檎だったかもしれない 林檎さん ごめんね あれ またまるが詰まった

          こんなところで熟れました

          遠い場所の朝

          気づいたら、誰もいなくなってしまった 砂も海も空までも真っ黒なベールをかぶって どこから来たのか忘れてしまった 生まれたところも、個体だったのか液体だったのかも忘れた 暇が怪物を起こさないように できるだけゆっくりと過ごした いろんなものを観察して 法則性を知った 一方で、どれほど熱心に観察しても 予測できないことも沢山あった 砂の涙の理由とか きみとわたし、どちらが歳上なのかとか 考え事をして空想をした 夢の中で 旅人になって世界中を巡った それが終わると風に

          遠い場所の朝

          絶望する夕方

          だいじょうぶ だいじょうぶだ と 言い聞かせて もう疲れてしまったよ 全てのことを忘れてしまいたい なぜ と問うことも 嘆くことも 闘うこともやめた その葛藤も知らずに 私はただ もう諦めたい 抗うことも受け入れることもできなかった どこまでも付き纏う影に追いかけられ 侵入され 破壊され続ける 私のからだの持つ 組織の再生能力を遥かに超えて ぼろぼろと崩れ落ち それでも生きてきた もうとっくに死んでしまっていたのに 生きてきた からだじゅうが痛い

          絶望する夕方

          生きていることをあなたに否定されても

          馬鹿みたいに よわっちくて よわっちくて 何もできない ずーっと寝ていて 生きているのか死んでいるのか分からない 誰しもが生きることで迷惑をかけるけれど でも同時に貢献する 愛を与える それなのに私は ただ迷惑をかけるだけで 社会の負担で 死ぬべき存在 これが死にたいということ 生きる資格がないということ でも死ぬのが怖くて ずぶとく生きている 恥を晒しながら 生きている 馬鹿みたいにヨボヨボと 生きている 申し訳ないなんて もう言うな 無価値なのに生きる こ

          生きていることをあなたに否定されても

          病と諦念

          いろんなことを諦めました 病気になって諦めました 頑張れとか、きっと良くなるよとか 言わないで なんて言わない 甘えているだとか、良くなろうとしてないだとか 思わないで なんて言わない 理解してほしい と思わない きっとそれはとてつもなく難しいこと 諦めるまでにどれだけの葛藤があったのか 思いを馳せなくて大丈夫 世界は 安全でも一生懸命生きるに値する場所でもない ということを 否定しようともがく人たち を眺めながら わたしは 彼らを傷つけずに傷つけられずに

          病と諦念