遠い場所の朝
気づいたら、誰もいなくなってしまった
砂も海も空までも真っ黒なベールをかぶって
どこから来たのか忘れてしまった
生まれたところも、個体だったのか液体だったのかも忘れた
暇が怪物を起こさないように
できるだけゆっくりと過ごした
いろんなものを観察して
法則性を知った
一方で、どれほど熱心に観察しても
予測できないことも沢山あった
砂の涙の理由とか
きみとわたし、どちらが歳上なのかとか
考え事をして空想をした
夢の中で
旅人になって世界中を巡った
それが終わると風になって、海になって
いまはここに根付く植物となった
夜明けを待っている
太陽がいちばん最後にのぼる場所で
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