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カルペディエム 本

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記事一覧

カルペディエム 本 本を読むことについて その12

こんなに本を読んで何になるんだろうと思い迷うこともある。何につながるのだろうと。
楽しみのために読んでいるのだと思おうとしても、何かに役立てたい、誰かの役に立てたらと、どうしても思ってしまう。
息子たちにそのことを話すと、別々に同じ答えが返ってきた。
私がたくさん本を読むことで、私が満ちていれば、私と接してくれる人もまた満ちるのではないかと。
何かに還元しようと意図しなくても、巧まずして接した相手

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カルペディエム 本 本を読むことについて その11

悪戦苦闘の子育て期間も終わり、息子たちは大人になった。
本が嫌いだった長男は、研究者を目指し、日々文献や本にどっぷりつかるという、子どもの頃には思いもしなかった生活をするようになった。少しの電車での移動の際にも、付き添ってくれるヘルパーさんにページをめくってもらいながら本を読んでいる。家ではずっと自分独特のやり方でページをめくりながら本を読む生活だ。
次男は家を離れた。帰省の際には何冊かの本を持っ

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カルペディエム 本 本を読むことについて その10

本を読むことについて その10
長男は子どもの頃、全く本を読まなかった。
アテトーゼ型の脳性麻痺という障害で、全身に不随意運動がおこるため、じっと文章を目で追うことが苦手というか、辛いのだろうと思っていた。
読書好きの親としては、面はゆいものがあった。
次男は小さい時からよく本を読んだ。伝記もファンタジーも漫画もなんでも読んだ。ハリーポッターのような分厚い本も読んでいた。
私も息子が読む本を読んだ

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カルペディエム 本

本を読むことについて その9
友人に、ネット書店を教えてもらったのはいつだったか。本の解説があり、「この本読みたい」と思い、カートに入れる。そうしているうちに、おすすめの本というのが提示されるようになる。
「なんて素敵なシステム」とその頃は思った。知らない作者だけど、私が読みたくなるような本ばっかりじゃないかと。
だが失敗もあった。題名も内容も好ましいと思ったけれど、届いた本の文字の大きさや、文字

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カルペディエム 本

本を読むことについて その8
今は、基本的に本は買うが、買わなかった時期もあった。
働き始めたころは、公立の図書館で借りまくっていたし、肢体不自由の息子の送り迎えの際には、彼の通う学校の図書館も待ち時間によく利用させてもらった。
今は買う。自分の本にしたいと思う。
買っておかないと、手に入らなくなりそうで。
自分のものでないと、なんだか緊張してしまって、丸ごと味わえない気がして。
結局積んだままに

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カルペディエム 本

本を読むことについて その7
長い時間電車に乗ることがあれば(例えば新幹線とか)、何を読もう?どの本を持って行こう?とわくわくする。決めかねての2冊だったり、1冊に飽きた時用にもう1冊プラスしたり、やっぱり複数冊を携える。
どうしても読み切りたい本がある時は、カフェにも行く。長くいても気にされない街の中のカフェ。あえて何も他のことができない状況に自分を置く感じ。
時によっては、他の人たちのおしゃべ

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カルペディエム 本

本を読むことについて その6
 一つのことをそれだけに集中して行うということが苦手である。
いくつでも同時にやれることがあるならやりたい。
料理をしながら、タブレットでテレビ番組を見る。ソファに座ってテレビを見る時は、洗濯物をたたみながら。書類を書くなどの事務仕事の時は音楽を聞きながら。
自分の時間を一つのことに使うだけということが、もったいないとどうしても思ってしまうのだ。
読書はどうか。月にだ

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カルペディエム 本 子育て期

本を読むことについて その3
結婚して子供が生まれてから全く本を読めなくなっていた。

昼と言わず、夜と言わず、一日中泣きわめき続ける息子の子育てがハードだったから。息子が寝てくれると今のうちに私も寝ておかなくてはと、
少しでも時間ができると寝ることを選んでいたからだ。

そんな時、学生時代の友人に、とある本を読んだか?と聞かれ、「時間がなくて全然本を読めていない」と答えた。子育てが大変なんだから

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カルペディエム

カルペディエム、その日の花を摘め。
先のことや、過去のことを思い煩わず、今この時に意識を向けて、毎日を生きていけたらいいなと思う。
いとおしい一日一日を残しておきたい。
毎日人に出会って、毎日本を読んで。それらのことどもを言葉にして、どこかの誰かに届くといいなと思って書き始めます。

カルペディエム 本 小学校時代

本を読むことについて その1
いつから本を読むようになったのだろう。小学校高学年あたりからのメモは残っている。
電車通学をしていた小学校時代。上級生が電車の中で読んでいたのが世界文学全集の一冊。真剣に本を読む彼女の姿は今も思い起こせる。その姿にあこがれを抱いて読み始めたのだったかもしれない。
その頃はまだまだ父の選んだものを読んでいたのだと思う。くだんの上級生が読んでいた本を読みたいと父に告げたら

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カルペディエム 本 中学高校時代

本を読むことについて その2
本を読むことが生活の一部になっている。
それがいつからだったのか、本にまつわる思い出を書いてみる。

中学・高校時代、図書館が好きだった記憶がある。
高校の時には図書委員会に所属していた。部活でもなく、クラスの役割的な委員会でもなく、独立した組織の図書委員。
機関誌の名前は「コギト」。デカルトの「われ思う、ゆえに我あり」に由来したものと思われる。
閉架式の図書室があり

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