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アオゾラペダル

気づくとちょうど一年の真んなかで、
見上げれば空の青が一段と濃くなるように感じる季節がすぐそこにきています。


〝アオゾラペダル〟
こちらはシンガーソングライターのスガシカオさんが作詞作曲され、男性グループ・嵐の2006年夏に発売された曲のタイトルです。

私はその時々の自身の心情によって惹かれる歌がころころ変わるのですが、この歌は何十年と経つ今でも変わることなく、心や頭の片隅にあってふとした瞬間に引っ張ってきて聴きたくなる、そんな歌です。
 

そよ風のようなやさしい曲調とはうらはらに、少しほろ苦い感じの想いを描く楽曲。

迷いや、憂いが感じられるせつない曲でもあります。


あきらめることがあったり、挫折したり。
でも、それもまた人生。

気持ちに折り合いをつけて、新しい日々に向かおうとする姿がやさしく描かれます。


いつのときも、何歳になっても、悩んだり、落ち込んだりすることってありますが
「それでいい。それでも明日を描こう。」
とそっと背中をおされるような。


〝恋をした。
           それだけのことなのに世界は眩しい〟

2006年夏に有名な漫画を実写化した映画
〝ハチミツとクローバー〟のキャッチコピーです。

アオゾラペダルはこの映画のエンディングテーマ曲でもあります。


まさにこのことを表すかのように曲調は明るく、今すぐにでもかけだしたくなる一方で、思い描くようにはいかないもどかしさのようなものとが織り交ざり、その作品と重なる部分があります。


映画の舞台は美術大学。

報われない片思いや友情、芸術への想い、
将来に対する漠然とした不安を抱える学生たちのありのままが等身大の姿で描かれています。

素直でまぶしい彼らから気づかされることがたくさんあって、きっと大切な想いが見つかる、そのような作品です。


明日を眩しいくらいに うまく描こうとして
ぼくらはキレイな色をぬりすぎたみたい
ちょっとカッコ悪いことも
こわれたユメの色も
パレットに広げ もう一度明日を描こう

きっとぬりすぎた色って 白に戻れないけど
それでいい  新しい色で明日を描こう

アオゾラペダルより一部抜粋



5人の心地よいハーモニーと、優しさ、強さ、儚さ、清々しさ。
そう感じた当時の私の気持ちは今聴いても色褪せることはありません。

映画の終わりに耳にするとよりいっそう
心の奥に響くものがあります。


アオゾラの色と、
未来へ向かって漕ぐペダル。
 
誰の人生においても重なるところがあるんじゃないかと思って、あらためて素敵な歌だと感じます。

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