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低学年男子はねりけし命

らん子シリーズ#9

娘の授業参観にて。
隣りの席の男の子A君は幼稚園から一緒のお友達。
そのママがコソッと耳打ちしてきた。
A君ママ「ちょっと見て、うちの子」

見ると、A君は一生懸命下向いて何かをやっている。

何やってるのかと思ったら、消しゴムに鉛筆をぶっ刺してグリグリしていた。よく見たら白いはずの消しゴムが黒い点々だらけになっている。

A君ママ「またやってる。あれでいつも消しゴムに刺さったまま芯が折れて、消しゴムが芯だらけよ。あれでノートを消すから黒くビーって線ができてさ。鉛筆もすぐ短くなるし。はぁ~~」

私「そしてその黒い線をまた消すのか・・・エンドレスだね」

A君ママ「先月なんて1か月に消しゴム5個もなくしたんだよ!ノート見たらあちこちに消した跡があるの。あれ絶対、授業中にひたすら意味なく消しゴム使ってるんだわ」

私「あぁ!それで黒ねりけし作るのか!今男子のなかで黒いねりけしが流行ってるんでしょ。消しゴムを全面黒くぬって困るのよってB君ママが言ってたよ」

この前娘が「男子にもらったの~」と真っ黒のねりけしを大事そうに持って帰ってきたのだ。ちょうどいいねりけしにするためには水のりがポイントらしい。そのことを伝えると、

A君ママ「もう~ごめんねぇ、そんなきったないのあげちゃって。持って帰ると私に怒られるからあげたんだわ、きっと」
私「いやいや全~然っ!作り方教えてもらった~って喜んでたよ」

娘の机の上にあるねりけしを思い出した。
動かしやすい絶妙な水のり加減があるらしい。
面白いじゃないか。ねりけし男子。

次の音楽の授業参観では、みんなで鍵盤ハーモニカを練習していたとき、A君はつまらなそうに吹き口をくわえてはブ~ラブラ、を繰り返していた。

A君ママ「見てよ、うちの子のあの態度。ひどくない?」
私「A君にとってはこんな練習、簡単だからでしょ~家でピアノやってるから」
A君ママ「だからってあれはないわ~まったくもぅ~」

そしてその後A君は、吹き口がどこまで口の中に入るのか試したくなったらしく、奥のほうまで突っ込んで、思いっきり「ウオエッ」っとなっていた。

A君ママと私で思わずブッと吹きだした。
すみません先生、授業中に・・・

あぁ~可愛い♡

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