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「シェフの気まぐれサラダ」って本当におすすめなんでしょうか? ~1皿の食事から知る日本の料理職人のすごさと食文化の偉大さ~

単純な質問なのですが、若い人がマーケティング技法を知っていたほうがいいので、ご回答します。
また、みなさんが食べているレストランの料理の1皿が、どのように誕生するかも、わかると思います。
これは、単純にまず、マーケティングを検討したネーミングなのです。

しゃれたレストランなどで「シェフの気まぐれサラダ」などというネーミングの料理がありますが、あれは普通の日本のお店では、トリプルにいいものです。ぜひ、注文してください。日本のお店限定です。
日本人は、品質の低いものを出すのは、「プロとして恥」と思っているからです。外国人シェフ、たとえば中国人で性格の悪い人は、嘘つきなの人が多いので、原価が安いだけでおいしくないのを出す可能性はないわけではないです。まあ、日本で何十年もやっている中国人は多少大丈夫だと思いますが・・・。うそつきすぎるとお店をやっていけないはずですからね。国によって、民度=信頼度が違うのです。
レストランではないですが、うそつき経営の末路としては、こちらの記事で下のほうにある、「メイソウ」事件を見てください。


「シェフおすすめ」「季節のなんとか」みたいなのは、本当におすすめだと思います。あくまで、日本国内で日本人経営、日本人スタッフの店で限定ですが・・・。

日本は四季があり、農家はとてもまじめだし、かつ物流もすごいシステムがそろっているので、食材の品質がいいです。鮮度が高いとだいたいなんでもおいしいです。
残念ながら、外国にいくと「温帯じゃないから四季はない。ずーっと熱帯で夏」とか、国土が広すぎるし、内陸部は物流で新鮮な魚を運べないので、魚のメニューがそもそもない。
私はだいぶ前に、ハンガリーだったと思いますが、東欧にいきましたが、まずそうな川魚とサーモンがあっただけで、日本のように、タコ、イカ、ウニ、いくら、貝類、はまち、ブリ、まぐろ、いわし・・・・などがあるわけではないです。もともとが、あまり魚系食材がないのです。ですので、冷凍で年中あるようなサーモンしかない国は多いですから、「四季のなんとか」がないですね。「シェフのきまぐれなんとか」も、定番のとあまり変わらないかなあというのもあります。実は野菜なども品種改良されていなかったりする国もあるので、違う野菜使って、いまひとつ・・・のこともあります。

日本の野菜・果物の品種改良について、書いています。こちらも参考にしてください。


日本人の基本文化として、旬の文化があります。「四季がある以上、その四季のタイミングで採れる野菜、魚などは、おいしいから、たくさん食べましょう」というのがあります。日本人、食いしん坊です。というか、いつ飢餓になるかわからないので、おいしいものを食べたいのです。明日、死ぬかもしれなかったのですからね。
春は春野菜、夏は夏野菜といったように、季節で一番旬でおいしい食材を使っているはずです。それに、旬のものは、安いものもありますし、シェフにとっては手ごろです。このため、お店にとっても、ある程度利益が確保できますが、それだけだとお客様が離れていってしまいます。

春: 筍、わらびなどの山菜、鰆(さわら)、桜・・・
夏: うなぎ、はも、茄子、トマト、かぼちゃ、とうもろこし・・・
秋: きのこ(松茸、しめじ・・・)、栗、柿、りんご、サンマ・・・
冬: 鍋料理、おでん、ブリ、みかん、大根 ・・・・

などなどです。一度、自分で書き出してみるとよいですよ。


日本の普通の日本人経営のレストランは、良心的ですから、やはりシェフの名前がでるほどの料理をいい加減にするはずはありません。風評被害になると怖いです。
ずっと日本で10年20年やっているネパール人やインド人など(要するに、特亜以外)は、日本人に感化されているので、たぶんこれも大丈夫でしょう。変なものを出すと、お客さんが逃げることはよくよく承知のはずです。

また、レストランというのは均質なものを提供しないといけないので、定番料理がありますが、毎月毎月、全部がそれだと、シェフとしては正直、飽きてしまいます。

やはり、意欲のある、アイディアマンなシェフとしては、「あー、今度は京野菜や鎌倉野菜みたいな、変わった食材を使ってみたいなー」と思っていると思います。そのシェフの楽しいアイディアの発露が、「シェフの気まぐれサラダ」ではないかなと思います。

なので、「シェフの気まぐれサラダ」は、お店とお客様にとって、Win-Winな構成だと思いますから、恐らく大丈夫かなと思います。

こういうあまりに懐疑的な疑問はまあ、用心するのはわかりますが、社会を知らないからだと思います。
ちょっと、国内で有名な世界的一流シェフが、メニューを考えておられるのをリンクしますので、ぜひ、日本人の一流シェフが何を考えているか、よく見るといいでしょう。

1人目は、鉄人シェフで世界的に有名な、道場六三郎さんです。90歳をすぎても、まだ自分で調理されています。たまに、「年取ったから、固い材料切るのしんどい」などとおっしゃいますが、いやあ、斬新さや細かいテクもご鑑賞ください。

2人目は、フレンチの天才、三國シェフです。フランスでは勲章ももらわれていて、名前を知らない人がいたら、学生とかでしょう。料理本なども出されています。これは、7月の定番メニューを検討する会での様子です。天才シェフが何を考えて、こういうメニューにしたのかがわかってくると思います。多くの一流シェフは、仕入れ値段が安いだけでなく、「この面白い野菜を、お客さんに最高の状態で食べさせてあげたい」と思う方が多いです。
でないと、一流にはなりません。

外国で、米の粒がつぶれたようなぎゅーぎゅーの寿司に、適当にマヨネーズをかけて味をごまかしたような寿司を出す料理人と、日本のトップシェフがどれくらい違うかわかるといいと思います。

こちらは、恩師の村上料理長の思い出です。天才職人は、天才を知るというものかなあと思います。こうやって、日本の職人の世界は、師匠から弟子、先輩から後輩へ受け継がれていくのです。

こちらは、たぶん若い和食職人さんですが、技も面白いので、あえてリンクします。

中国で、お客さんが来ないので、麻薬をいれた料理を作って、リピートを稼ごうとしたお店があります。日本人と中国人の発想の、あまりにも違う点によく注意してください。

整理すると
(1) 旬のものが多いので、おいしい。お客にとってのメリット。
(2) 旬のものは、食材価格が安く、入手しやすいのが、お店のメリット。これで、Win-Winですね。お客様も珍しいので喜びます。
(3)  ルーチンワークのメニューがばかり作っていると有能なシェフは、仕事に飽きてしまう。なので、ときどき新作メニューやきまぐれメニューを検討して試したいのです。探求心と努力です。
(4) 日本の四季を代表する食材を使った料理は、日本の食文化の宝です。それが、毎年毎年、どこのお店でも継承していきます。それによって、皆さんは、おいしい料理を食べることができます。
(5) レベルの高い料理人は、顧客に誠実である。できる限り最高の物を出したいと本気で思っている。外国人料理人はそうとは限らない人もわりといるので、教育レベルや文化背景が違う。

ということになります。

実は、世界では、OMAKASEがもう英語になっているのです。
アメリカ、オーストラリアにいくと、OMAKASEというのが選べる店があります。だいたい日本人経営か、日本で何年も修行した現地の人経営かもしれませんが。

こちらは、日本国内で日本人シェフですが、英語で解説されていますので、OMAKASEがどのように外国人から受け取られているか見てみるとよいでしょう。英語の勉強にもなります。

もう1つ、リンクします。こちらはNY マンハッタンに出店されているようです。コメント欄に、外国人のコメントが書かれているので、そちらもご覧になるとよいでしょう。英語が苦手な方は、Deeplで翻訳するとよいでしょう。Google翻訳より、英語→日本語については、翻訳精度が高いので、私はDeeplを使っています。


これを現地の人もだんだん知ってきましたので、「知らないお店に初めていったときは、日本料理店では OMAKASEを頼もう」と思うようになってきたようです。

アメリカでは、なんとついに居酒屋がテキサスにも登場!
(寿司屋さんと、高給コース料理(しゃぶしゃぶとかが出ます。おまけに、中國人や韓国人のインチキ経営が多い・・・本当に嘆かわしい)、鉄板焼きは腐るほどお店があるのですが、パブとかもあるアメリカで、居酒屋が出店したのはすごいです。枝豆と唐揚げが大人気ですが、ケンタッキーチキンとあまり変わらなくても、味の違いがわかるようです。素晴らしい。昔に比べたら、アメリカ人ってほんとうにお箸の使い方がかなりうまくなりました。前は、日本人ビジネスマンと接待でいけるような管理職アメリカ人くらいしか、お箸は使えなかったのですが、最近はアメリカ人の子供でも使えるようになってすごいものです。)

焼酎まで大人気で笑えますね。まさに、日本の居酒屋と雰囲気がそっくりです。素晴らしい。

お店に入って、消費するだけでなく、提供する側の大変な努力を理解できるようになると、あなたも立派な大人になれるでしょう。

日本には「いただきます」「ごちそうさま」という言葉がありますが、これは、食事を提供してくださる苦労と食材のありがたさに感謝する言葉です。

日本人なら、この言葉の意味がどれほどすごいかを理解していただきたいと思います。


AI,脳科学、生物学、心理学など幅広く研究しております。 貴重なサポートは、文献の購入などにあてさせていただきます。 これからも、科学的事実を皆様に役立つようにシェアしていきたいと思います。 ありがとうございます!!