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利用規約・受講規約の作り方[専門家がわかりやすく解説]


1.利用規約・受講規約とは


👉利用規約は、サービスを利用する際のルールです。
👉受講規約は、講座やセミナーを受講する際のルールです。


この利用規約・受講規約に同意した人(利用者・受講者)は、サービスや講座などを提供する運営者との間で、このルールに基づいて、利用・受講することに関して契約を締結することになります。

なお「契約」といっても、契約書面が必ず必要ということはありません。


よくある方法としては、申込フォームで規約を表示し、「規約に同意します」というチェックボックスに✅チェックしないと申し込みできないようにする方法があります。


2.規約を作成するうえで注意すること


それでは、運営者は利用規約・受講規約を作成するうえで、どのようなことを注意しなければならないでしょうか。

最も重要なことは、そのサービスや講座などを提供するにあたって、どのようなリスクがあるか?どのようなトラブルが起こりうるか?を想定し、それを回避できるような決まりごとを盛り込んでおくことです。

事前に、決まりごとをしっかり掲げておき、

「これらのことに同意いただける場合は、利用・受講できます」


という流れをつくっておくことで、

様々なトラブルを回避できるようになることはもちろん、実際にそのトラブルが起きた場合の処理についても規約に定めておくことで、運営者としても有利に対処することができ、

運営を滞らせることなく、円滑に手続きを進めていけます。

このように、規約を作成する際には、自身のサービスや講座などの内容や特徴を把握して、これらに沿った規約を作成していくこと必要です。


3.他の規約をコピーして使うことはできるか?


他の会社やスクールの規約は、著作権法による保護の対象とはならないと考える方もときどきいらっしゃいますが、他社の規約を完全にコピーして使用した場合には、著作権侵害となる可能性もあります。

インターネット上の他社のサービス利用規約を真似て利用した事業者の使用差止が求められた裁判で、下記の様な判例があります。

定型化されたものであり、その表現はおのずと似たものになるのは仕方ないとはいえ、その規約の表現に作成者の個性が表れているような場合には、著作物として保護すべき場合もある。


このような法律上の問題もありますが、たとえ無かったとしても、

そもそも他社の規約は自身のサービスや講座に合った規約でないため、つじつまが合わないことも多く、また、こういった規約があったことで、逆に思わぬ不利益やトラブルが生じるおそれもあります。

このように、いずれにしても、運営者は、自身がサービス提供事業者であることを認識し、自身のサービスや講座に合った規約を作成することが望ましいといえます。


4.規約は、後出しができない


そして、重要なこととして、これらの“規約”は、[後出し]ができません。

「サービスを利用する」「講座を受講する」などの権利を与えた後になって、「このようなルールができました」と提示しても、

「そんなルールがあると知っていたら利用していなかった、受講しなかった」


などと言われてはどうすることもできません。

サービスや講座を提供するためのコンテンツ作成と同時に、必ず「規約」についても、しっかり整備したうえで事業をスタートさせることが大変重要になります。

弊所では、事業者の皆様が提供されたいサービスや運営されたいスクールについて、しっかりヒヤリングさせていただき、その上で必要な書類や規約のご提案をさせていただいています。お気軽にご相談ください。




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