ボーダー
伝えたい事は山程あるが
話し方もわからないし
思考というものは
兎角厄介な代物で
あっちで歓喜の雄叫びを
上げたのかと思えば
こっちで悲嘆に暮れた
無声音の呻きに浸っている
そもそもそんな事を伝えるような
必要性もないのかもしれない
ボーダーラインの平均台
下を見ないで歩きなよ
やりたい事は無い事も無いが
楽しみ方もわからないし
情動というものは
暴風に弄ばれる凧みたいで
歴史に記された聖者のように
神々しく振る舞ったかと思えば
放課後のコックリさんみたいに
裏紙の四十八音を徘徊している
奇跡や呪いを知ったところで
それほど縋るものでも無いだろう
ボーダーラインの平均台
真っ直ぐ前見て歩きなよ
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール