ライラック
二人は何時も一緒だった
それが当たり前だったから
記念日も無く贈り物も無かった
何もない事が二人の証だった
これっぽっちも不思議は無かった
風が吹いたら二人で揺れて
雨が降ったら二人で濡れる
夜には同じ夢の中
二人で転んで二人で起きる
そんな二人が好きだった
ある晩嵐が吹き荒れて
二人はバラバラさらわれた
どれだけ風に晒されて
どれだけ雨に打たれても
きっと二人で流れ着く
それが嘘でも信じてる
春に残した面影は
変わらず二人で過ごしてる
二人の糸を繋ぐため
僕は心を失くさない
やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール