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工事中

いつも決まって通る道
町の外れの曲がり角
似た者同士の交錯に
他人のまんまでやり過ごす

中古の車屋閉店し
代わりに出来たコンビニも
いつの間にやら一周年
ずいぶん小銭を注ぎ込んだ

解体業者のトラックと
慣れない手付きの誘導灯
メットを被った年寄りが
世相を切ってはぼやいてる

交互通行工事中
車列を尻目に信号機
律儀に守るマイペース
仕事を無くした年の暮れ

いつも決まって空いている
町の外れの交差点
空がこんなに高いこと
知りもしないで走ってた

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール