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石拾い

投げ捨てられた石ころも
それぞれ異なる顔を持つ
けれどもそれが何になる
誰も見向きもしないまま
石ころらしく黙ってる

巨大な姿を持ったなら
奇異な容貌見せたなら
魅惑の色で光るなら
立身出世を果たしたら
石ころだろうが鎮座する

価値の基準も人任せ
いつからこの世の住人に
赤子の瞳を懐かしみ
賽の河原の鬼を呼び
石ころ拾って積み上げる

ひとつ積んでは手を添えて
ふたつ積んでは手を止めて
みっつ積んでは手を離す
カサカサ鳴くのは風車
後ろ歩きで遠去かる

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール