見出し画像

ストレンジャー

他人面した街を行く
行き交う人の横顔に
誰かを重ねてまた消して
徒労を承知で繰り返す

古びたノートに街を書く
胸のページを捲る度
白紙のまんまで黒くなる
文具屋覗けど替えは無い

私が私を受け入れて
私が私を作り出し
私が私を壊しては
私は私に嘘をつく

しかめっ面で街を行く
叙情が後に付いてくる
その足音が拠り所
私は私を未だ知らず

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール