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虫っけら

恋する虫のビブラート
日毎に昼間を追いやって
夜を急かして睦み合う

直に寒さが強まれば
五分と揶揄する魂も
生憎動けぬ一寸で

星を眺める暇も無く
命を無限に掻き鳴らす
たとえばそれが無意味でも

夜半に月が登る頃
こっそり見惚れて一休み
何にも叶って無いけれど

私は此処で唄ってる


やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール