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懐古食堂

カウンターにはちらほらと
今も昔もディスタンス

居並ぶ昭和の郷愁も
生まれは意外に平成だ

蝮はトグロを巻いたまま
年中酔いどれ酒浸り

店の片隅全自動
囲んだオヤジはモノクロで

緑のマットのテーブルに
天気を訊いたらテンホウと

同期の息子は死んじまい
古びたジッポも物言わぬ

シャッター落書き物の怪も
ずいぶん丸くなりました

思い出話しが増えるから
自ずと足も遠退いた

たまには会いたくなるけれど
寂しくなるのが嫌なんだ

やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール