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吐息と眠り

少し肌寒くなってきたから
手首の破れたパーカーを羽織り
散見する記憶の温もりを辿る

声を掛けた思い出達は
申し訳程度の新鮮さを宿す
無限に落ちた一枚の静止画

別に何でも無いよって言う事が
いつの間にやら口癖だから
これから何遍言うのか賭けてみる

とやかく考えるだけの気不味さと
否定を否定する答えに音も無く
空虚な吐息の温もりが巻き付けば

今日はもう終わりにしたいから
色褪せたフードに頭を仕舞い込んで
瞬きも忘れて眠りを探しに行くよ


やりたいことなんて何もなかった放課後 ぺっちゃんこにした鞄に詰め込んだ反逆 帰る所があるから座り込んだ深夜の路上 変えたい何者かを捕まえられなかった声 振り向くばかりの今から届けたいエール