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重なり続ける人生は 何度も何度も繰り返し 古びたフィルムを映写する 消える事なき背中越し 輝…
季節を綴じたクロゼット 去年の上着を取り出して 思い出挟んだ栞には 毛玉がひとつ転がった …
低空飛行の太陽は 師走の午後に急かされて 顔を埋める杉林 温もりばかりを求めては 隣の山に…
中指先っちょ傾いた 関節辺りに居座って 無言で忍ばす自己主張 仕事を手伝う片手間に 捲る言…
十年生きたわけじゃない そんな子供も語り出す 大人に聞いた物語 地面がドカンと揺さぶられ 海…
なんて事ない塵屑が 末期に放つ美しさ 毎年決まってやって来る こちらの都合は構い無く 空の…
揺るぎないもの削ぎ落とし 夜のしじまに火を点す 消えないように隠し持ち 氷の中に閉じ込めて 忘れるからこそ希求する 絶えぬ熱情選び取る 変わらぬ事は流転して 無常に囀る月光に 重なる魂見たならば 裏切る事など出来ようか
誰も知らない傷跡を 胸に携え生きている それをおくびにも出さないで 素知らぬ顔で笑ってる そ…
ラッパを鳴らして行進だ 悲観楽観アルミ缶 大量消費のリサイクル 空は血迷い地は腐れ 予言書…
あっさり人って 死んじまうもんなんだな 別れをちゃんと伝えるなんて 実際無理な話しなんだけ…
いつも何かに追われてる 仕事の合間の昼食も 欠伸の振りして休むだけ だからと言ってこの日々…
頭からっぽ そんなわけない 横断歩道渡らずに 立って座って 赤を待つ 心ばらばら そんなはず…
闇を被った街灯が 途切れ途切れで結ぶ道 誰も居るはず無かろうと 腑抜けた面を引き摺って 月…
いつも決まって通る道 町の外れの曲がり角 似た者同士の交錯に 他人のまんまでやり過ごす 中古の車屋閉店し 代わりに出来たコンビニも いつの間にやら一周年 ずいぶん小銭を注ぎ込んだ 解体業者のトラックと 慣れない手付きの誘導灯 メットを被った年寄りが 世相を切ってはぼやいてる 交互通行工事中 車列を尻目に信号機 律儀に守るマイペース 仕事を無くした年の暮れ いつも決まって空いている 町の外れの交差点 空がこんなに高いこと 知りもしないで走ってた