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コンピテンシーを評価するポートフォリオ評価

コンピテンシーを評価する方法として、パフォーマンス評価と並んでよく利用されるものに「ポートフォリオ評価」があります。

ポートフォリオとは、児童生徒が書いたり作ったりした作文、レポート、作品等の学習成果物や学習過程における様々な記録や振り返り、自己評価結果等を一括して保存・蓄積したファイルのことです。このファイルとは紙などの実物の場合もありますが、電子化してデジタル保存する場合もあります。デジタル保存した場合は、これをeポートフォリオと呼びます。

ポートフォリオ評価とは、「学習の成果物等を保存・蓄積したポートフォリオを、一定期間で振り返り、何らかの基準で評価する方法」ということになります。

ポートフォリオ評価は、児童生徒の学習成果をテストの形式をとらずに評価する方法です。学習の過程や成果を目に見える形で残し、それを見返すことで、振り返ります。そのことにより、知識・技能が身についたかどうかだけでなく、「何ができるようになったのか」というコンピテンシーを評価することができます。

ただし、多くの児童生徒を同時に評価する際には、何らかの統一した基準が必要になります。その場合には、ルーブリックを使うと便利です。児童生徒の作文やレポート、作品を見て、ルーブリックに照らし合わせて評価するのです。
私は、この場合も評価の主体は学習者本人であるべきだと思っています。つまり自己評価が基本です。

しかし、ポートフォリオがあると、客観的な評価もしやすいので、教員評価も可能です。教員が評価し、それを児童生徒にフィードバックしながら面談をすると、学習の振り返りとしては最高です。
児童生徒が作った作品を一つひとつ見ながら、ルーブリック評価基準にある記述の意味を確認しつつ、どの点が評価できるのか、次はどのような改善をすれば評価が上がるのかを話し合うことはとても大事なことです。

自己評価と教員評価の差異を自分で認識し、その理由を考えてみることは、自己評価をする力=メタ認知能力を向上させます。
コンピテンシーは目に見えにくい資質・能力なので、自己評価、メタ認知がとても大切です。自分は何ができて、何ができないのか、それを自己認識することが学びのはじまりになります。

コンピテンシー・ベースの授業を行う場合は、パフォーマンス評価と併せて、このポートフォリオ評価をうまく活用するとよいと思います。

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