公認会計士試験の後で
公認会計士論文式試験、お疲れ様でした!
本日が今年の公認会計士試験(論文式)の最終日だそうですね。
受験生の皆さんお疲れ様でした。
とりあえず今日は打ち上げ行ってガーっと飲んじゃってください。
ふと、12年前に自分が公認会計士試験を受けたときのことを思い出したので徒然なるままに書きたいと思います。
2010年それはリーマンショックの余波が監査業界にやってきた年
2010年8月。論文式試験が終わり、その2日後には4大監査法人の就活が始まっていました。
当時は8月に試験を受けて、そこから11月の合格発表までの間に就活して内定まで出るというスケジュール。
そう。内定が出ても試験に落ちているというパターンが普通にあるのです。
あるいは試験は受かったけど内定が取れないというパターンもありました。
そして僕は後者のパターンでした。
ちょっと記事検索したらこんな感じ。
公認会計士の就職浪人、過去最悪の4割 10年合格者金融庁、制度改正急ぐ
(日本経済新聞 2011年2月21日)
>2010年合格者のうち就職・内定したのは全体の57.4%で、過去最悪だった09年の71.7%を大きく下回った。
試験合格した中で内定出たのが57%ってやばいですね。
まあ、単に自分が能力なくてその上位57%に入れなかっただけなんですが。
当時僕は23歳。大学を卒業した年度の夏。絶望と希望。
1社目
論文式試験が終わった次の日、遊びまわりたい心を抑えてエントリーシートを頑張って書くのだけども、一度も就活したことがないので全然内容がまとまらない。
そもそも就活が嫌で会計士試験に入ったので、そういう対策をしたことがない。何を書いていいのかわからない。
とにかく急いで、大手監査法人4社分のエントリーシートを書かなければならない。
自己アピール? 自分のいいところ?
わからん。
志望動機?
えーっと御社のプロフェッショナル志向な風潮に感銘を受けまして…
ダメだ一ミリもわかんない。
とにかく紙のスペースを埋めるために内容の無いペラペラなことを書いていくしかない。
何度も何度も書き直して、気づいたら夜の3時。翌朝早くから説明会があるので急いで寝る。
そして始まる説明会。なんかすごいハイスペな公認会計士が東京のオシャレな摩天楼オフィスでカッコよく監査してるゴージャスな動画を見せられテンションぶち上がる。
動画が終わると、なんか試験問題みたいのが配られていることに気づく。
「それでは始めてください」
唐突に始まるSPIテスト。きいてないんだけど。
寝不足と能力不足により全然できませんでした。
ちなみに不採用のときに企業が送ってくる、
「慎重に選考を進めた結果、誠に残念ながら今回は貴意に添いかねる結果となりました。
ご足労頂きながら不本意な結果となり、大変恐縮ではございますが何卒ご了承いただければ幸いです。
末筆ながら、貴殿の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。」
という、一般に「お祈りメール」と呼ばれるやつですがこの時期の監査法人はお祈りメールすらも基本送ってきてくれません。サイレントお祈りです。
リーマンショックで不景気、更にその直前の年に大量採用して人材がダブついてるという状況で、新人なんかいらんのじゃ!という状況だったそうです。
本当は要らないのに採用活動してやってるんだから、いちいち落とす相手に連絡する手間かけてらんないという感じですね。
お祈りメール送ってきたら、誠実に対応してくれてありがとうございますっていう気になりましたね。逆に。
当然この1社目はサイレントお祈り。
いや、お祈りされてるのかされてないのかもわからない。もしかしたら、まだ連絡くるかもしれない…そんな希望を持って2社目に行くしかない。(まあ来ないんだけど)
2社目
2社目。またカッコいい動画を見て、唐突に始まる小論文のテスト。
「あなたにとってプロフェッショナルとは」みたいな内容だった気がする。
45分くらいの試験時間で精一杯、足りない頭でプロフェッショナルとは何かを書く。社会人として働いたことが一度もないけどプロフェッショナルを頑張って語る。
試験後、そのとき一緒だった友人と「どうだった?」と確認し合う。
「いやームズいわー」
だよね。
そして鳴らない電話。
ちなみに一緒に受けた友人には電話来てましたwww
お気づきの方もいらっしゃるだろうが、ここまでで面接にすら辿り着けていないのである。
3社目
3社目。1次は集団面接。
初めて面接をやれる!ということでなんか嬉しくなっちゃいました。全員受けられるんだけど、今まで面接すら行けてないから。
そもそも、これが人生初の就活の面接。
何言ったかも覚えてないけど、とりあえず落ちました。
面接終わった後、待合室の椅子に座って待ってて、リクルーターの人が番号を読み上げる。
「1xxxx番、1xxxxx番、1xxxx番の方はこちらへどうぞー」
その中で自分の番号が読み上げられる。
お、次の面接か?と、他の人と一緒にゾロゾロとついていくとそこはエレベーター。
「本日はどうも、ありがとうございました」
ありがとうございました、と頭を下げてエレベーターが閉じる。
この時点では気づいてないんですが、これもう落ちてるんですよね。
1時面接通った人は次の面接に行っていたそうです。
本人はその後マックでハンバーガー食べながら、今日の面接ちゃんとできてたかな…とかドキドキしてるんですけどもう落ちてるんですよね。
4社目
1次はグループディスカッション。
目立たなきゃと思っていっぱい発言して空回りしまくった記憶があります。それはもうカラカラーって滑車の回る音が聞こえるくらい。
コミュ力がカスすぎて、同じグループの人に迷惑かけてしまったなと反省してます。当然落ちました。
一緒にグループディスカッションした人と連絡先交換してたんですが、その人は通過の連絡が来て自分には来ていないことで不採用を知ることができる、というサイレントお祈り特有のアレですね。
なんとかなる
まあこういう感じで、公認会計士試験から1か月も経たないうちに即落ち4コマみたいな感じで滑りまくりました。
大学の新卒というプラチナチケットをフルスイングでドブに捨て、会計士試験に全力をかけたのでもう後がないわけですね。
着なれないリクルートスーツを着て8月の暑さで滝のような汗を流しながら、誰も自分を求めていないという事実を突き付けられるのは正直しんどく、自分は生きる意味があるのだろうかみたいなことを考えてました。
でもまあ、そこから一般企業就職、監査法人に転職、独立と、なんやかや生きてます。
今では生きる意味とか全然考えてません。
もしどこかでつまづいても、なんとかなるということがわかったので、今つらい人、もうちょっと頑張ってみてください。
この後どうなったかも書いてみました。良かったらどうぞ。
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