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自分自身をうまく語る能力と働く能力は別だよねという話

表題の件、なんのことかというと、就職活動の面接での話。そして、自己評価についての話です。読み進めても、最後にオチや提案、得るものはありません。ただ、愚痴を聞いて欲しくて書いています。(重要)

5回以上も転職しまくると、当然就活面接の実体験も増えてくる訳で、それはそれは色々と溜まってきます。

今の仕事は、次の仕事が決まってから辞めるもの。                                                                                  〜 テンショク・ガンバリャーナ III 世 (1871 - 1923)〜

そうそう、それが理想。(noteの機能を使いたい為だけに適当に偉人の発言風にしてみた)。でも、人生そんなに都合よく進まないんですもん。

先に辞めてから後が無い状況で次を決める。というシチュエーションもよくあります。早く決めないとという焦りも加わり、さらに心を削られることもあります。その中で感じたことなどをちょこちょこまとめていきたいと思います。

自分の捉え方が、歪んだ状態で相手の捉え方になる。

あなたがこれまで何をやってきたか、それがこの会社にどのように活かせるか、教えてください。

それを聞かれる。100%絶対に。しょうがないです。だって知りたいもんね。

でも、自分が何をやってきたか、を改めて振り返り、まとめたうえで語るって、本当に大変です。

自己評価が低い人は特に。

私自身、よく人から自己評価が低すぎると指摘されます。

例えば、とある面接での話。

前職では、海外で、今までにないけど需要がある、こんな商材を売ろうというプロジェクトを企画した。実際にリーダーとしてチームで企画を走らせて、市場調査も行なって、サンプル販売をしてみて、現地の販売店や顧客から生の声をヒアリングし、国内外の関係各位の総意をまとめたところ、結果シェア率の確保や関税などの面でも短期での勝ち筋が薄いことが分かり新規事業として次に進めることは諦めることにした。

という経験。

自己評価の高い人は、面白い題材を持ってくる企画力、行動力や実践力、そして状況を見極めて最適な選択を取る判断力や決断力。といった点をうまく物語にして自身の優秀さを面接官に印象付けるエピソードにできるんでしょうね。チームマネジメント能力とかも加わるかも。

でも、私にとっては「実現させることができなかった新規事業の一つ。」にすぎません。

でも、そのような伝え方をしてしまうと、次の質問もネガティブなものに変わってしまいます。

良い回答をすると、早々に切り上げて次の質問に飛ぶのかもしれません。でも、自己評価が低い状態で伝えると、次には、

「なぜ失敗したと思いますか、何が悪かったと思いますか」

という質問をされます。

「検討した結果、その最適解として進めないことにした。」という結論になっただけで、「失敗した」訳ではありません。でも、私の表現が「実現させることができなかったこと」というイメージを伴って先方に伝わると、それは「失敗したんだな」という印象を相手の心の中に生み出します。

自分の捉え方が、歪んで、そのまま相手の捉え方になります。

その結果、こういう質問が跳ね返ってきたのかな。と今思えば冷静に分析できます。

「なぜ失敗したのか」を問われてしまうと、自分自身はそう思っていなかったとしても、「なぜ失敗したのか」を答えないといけない状況になります。

自己評価が低い人なら、なおさら輪を掛けてネガティブなことを言ってしまうのは、容易に想像できるかと思います。

「自分は悪くないです。」なんて絶対ダメな回答でしょうし、だからと言って「自分が悪いです。」と言ってもプラスにはなりません。

詰んだ状態に陥ります。どう答えても死亡確定ルート。。

そしてそんな、どんよりした話題が続いた面接の結果が、採用♬となる訳もなく。

その結果を受けて、「やっぱり自分はダメだ」と、負のスパイラルに陥っていくのでした。

自分自身をうまく語るため、敢えて自己評価を省く。

同じ事柄でも、表現者の心の持ちようや、それを捉える受け手次第で、ポジティブにもネガティブにもなる。

「過去の事実」は全く同じことなのに、とても理不尽に感じます。

それなら、どうするか。

私は何度も面接に失敗した結果、

「職務経歴書にある通りなのですが、」と前置きして、自分がどう感じるか、感情的な主観部分を一切省いて、事実だけを伝える。

という結論に辿り着きました。ようやく。それでもうまくできるのは3割以下ですけど。そもそも「面接という改まった場」がどうしても苦手なので。

「それをどう受け取るか」は、全て面接官に委ねる。

面接なんだから、少しでも自分をよく見せるべき。

という意見は、本当にまったくもってその通りなのですが、うまく自分を表現できる人だからこそ言える意見です。誰もがうまく自分を良く見せることができる訳じゃないです。そして、それが空振りしてマイナスになるくらいなら、最初から回避することも選択肢として有用だと思います。

働く能力と、自分をうまく見せる能力は別のハズ。

なんというか、なんだかんだ結局、面接で見られるのは、自分をうまく見せることができるかどうか。という自己プロデュース力だけのような気がしてきます。多くの面接で、そんな印象を受けます。

言い換えれば、結局人柄だよね、というような。(そしてその「人柄」が面接用に作られた虚像であるかどうかは関係なく)。

でも、ちょっと待ってください。と。

営業職ならそれも必要かもしれません。でも、ほとんどの仕事が、自分のことをどううまく見せるか。という能力と、実際の業務で使う能力は、別じゃないのかな、とも思うのです。

そこが本当にモヤモヤ。

例えば、資料の意図を読み取って、その概要を端的にまとめる能力。

例えば、あらゆる業界にアンテナを張って、面白い題材を自社の商材やサービスと結び付けていく能力。

例えば、会議で使用する大量の資料のホチキス留めを、腱鞘炎にならないよう効率よくこなす能力。

自分をうまく見せるかどうかが、全く関係ない仕事も沢山あります。

面接で求められる、「自分」というブランドをいかにファビュラスに表現するか。という能力。

その重要度、お願いしますからなんとかもうちょい下がりませんかね。

どうすればいいんだろうね。自分はファビュラスって鏡に向かって毎日呟けばいいんですかね。、もしくは、面接前に軽く一杯カシスオレンジ飲んでほろ酔いの力で緊張をほぐすか。

面接をどううまく乗り切るか、というHow to記事や特集がネット上には溢れていて、面接対策の本も書店には山のようにありますけど。

「自分を変える」や「伝え方、見せ方のテクニックを磨く」のも大切ですが、それ自体は仕事には直接関係はないので、そればかり求めるシステムの方こそ、どうにかして欲しいもんだなと。

少なくとも、自分の会社では、そこばかり求めるようなことはすまい。と心に誓う。







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