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【農業】頼ってもらえるありがたさ#010

「あんたに頼ってしまうなぁ。申し訳ないわ。」

週末に農業を手伝うようになって数ヶ月。
軽トラに揺られながら、父と母が最近よく私に話す言葉。
農業に関してはまだまだ見習いで何も分かっていない新人なのに、私が1人いるのといないのとでは作業スピードが全く違うらしい。
父と母2人でやるのが当たり前だったのに、私が手伝い始めたら、ついつい当てにしてしまう自分達がいると言う。

「頼れる環境にあるんやし、遠慮なく頼ったらいいんよ。」
と私はにっこり答える。

両親は2人とも60代後半。
まだまだ元気だと思っていたけど、一緒に農作業していると、否が応でも親の老いを感じてしまう。
力仕事を数分続けるとすぐに息があがる父であったり、
足の痺れが出始め長時間歩くのが厳しい母を見ると、
私、まだ全然動ける!と思う。
いや、私だってもう43歳なので、普段の生活では自分自身の老化と向き合うことの方が多いのに、農業の世界ではこんな私でも若手になるのかもしれない。

すぐに休憩を必要とする2人を見ていたら、
元気な父と母と一緒に農業できるのは、実質あと10年くらいなのかな。いや、10年ある保証はないよな。と思ったりする。
だから、
もう少し仕事が落ちついたら。
子供達が成長したら。
退職したら。
と、できない理由を探すより、とりあえず今できる範囲で農業を学んでみよう。やり始めてみよう。
少しでも早い方がいい。

と背中を押されたのだった。

何にせよ、私がぶどう園や畑に出る日は、父のテンションが上がる!
いつもより元気が湧き出るらしい。
カッコつけて、あーだこーだと作業について色々私に説明をしたがる。
「またお父さんやる気出ちゃってるね。あんたが来たら嬉しいんよ。」
と母もなんだか嬉しそう。
そんな2人に私もほっこり嬉しくなる。

思えば小中学校の頃は、よく祖父母の農作業を手伝っていた。
勉強部屋から祖父母が農作業してる姿を見ると、手伝ってあげたくなって自分から畑に出たりしてたなぁ。
いざ畑に出ると、暑いししんどいし終わりが見えない作業にうんざりしてくるのだけど、自分が手伝ってるときのおばあちゃんのとびきりの笑顔、おじいちゃんに「助かるの〜!」と言ってもらえるのが、ただただ嬉しくて誇らしくて頑張ろうと思えた。

身近な人の笑顔が私のやる気に直結する。
昔も今も変わらない自分のガソリンに今更ながら気づいて、
親に頼ってもらえるありがたさをじんわり感じているこの頃。

ぶどう園の馬糞運びもあと少し。
今週末も農作業に精を出します!

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