<第70回> 自動翻訳ソフトがあれば、英語ができなくても大丈夫ですか?
こんにちは、安斎響市です。
今日いただいた質問は、
いつも投稿、note楽しみにしてます。
英語が出来ることの価値は、年々下がってしまうのでしょうか??
私は25歳のリーマンです。実際に英語を使う機会のある職場で仕事をしており、定期的に資格試験も受けています。資格試験で目標の点数まで取れたら、英語の実務経験を武器に転職をしようと考えているのですが、この先DeepLやGrammary などのサービスが発展していくと、価値のないスキルになるのかな、と漠然と思ったりします。
現時点で、平均の人より英語が使えることの優位性と、将来的な英語が使える優位性について安斎さんの考えをお伺いしたいです。
というものです。
転職やキャリアにおいて、英語ができるかどうかは極めて重要です。
私自身は大学生の頃、新卒の就活に際しての武器は、
英語力:TOEIC 950点
中国語力:HSK 6級
国家資格:知的財産管理技能士 2級
というものだったのですが、
実際には、2つ目と3つ目は大したことない資格なので(それでも面接官をある程度錯覚させるだけの価値はありましたが)、
これらのうち、本当に「他の人より優れている」と言えるのは、当時は英語スキルだけでした。
英語があったからこそ、私は、新卒で日系大手有名企業に就職することができましたし、20代で海外駐在、アラサーで外資系転職して年収1,000万超えという経験もできました。現在、外資系大手企業で「部長」という役職に就いているのも、英語なしには明らかに不可能なことです。
英語のおかげと言ってもいいです。
そして、現在において、「英語スキル」の価値が薄れているとは、私はまったく思いません。
この先、10年後、20年後を考えても、英語は、習得難易度と得られるリターンのバランスで「最もコスパが良い」と言える、最強のスキルだと思います。
DeepLがあれば、英語スキルは要らない?
DeepLという翻訳ソフトを知っていますか? Google翻訳とは明らかにレベルが違う、高次元の外国語自動翻訳ソフトです。
DeepLは、すごいです。
例えば、こんな文章をDeepLに突っ込んでみましょう。
ほぼ完璧です。意味的な翻訳としては、かなり正しいです。
確かに、これなら、あまり考えなくても、機械的に英語を操ることができるかもしれません。
英語を勉強しなくても、英文のメールくらいなら書けるようになるかもしれません。
しかし…
これを見て「英語スキルはもはや不要」と言ってしまうのは、かなり早計だと私は思います。
例えるなら、「自動運転技術が発展すれば、運転免許は必要なくなる」と言っているのと、ほとんど同じです。
「将来、自動運転車が普及する」などという話は20年以上前からありますが、その「将来」は一向に来る気配がありません。
自動運転の技術自体は年々向上しているのでしょうけど、ドライバーが完全に不要になる世界は、恐らく、私が生きている間には来ないでしょう。
東京都心の一部区間限定で「完全自動運転化」みたいな話ならありそうですが、日本中どこでも無免許で自動運転車で移動できる、という未来は、恐らく今後10年や20年では来ません。
そもそも、そのインフラを整えるコストなどを考えたら、普通に車を運転した方が早いからです。
どんなに素晴らしいテクノロジーでも、コストに見合うだけのメリットが無いのなら、そう簡単に普及はしません。
翻訳ソフトを使いこなすためには、英語スキルが必要
DeepLが、実は使いものにならないという例を挙げましょうか。
例えば、こんな文章をDeepLに突っ込んでみましょう。
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