No.70 - 製造業オワコン問題
実を言うと、製造業はもうだめです。
突然こんなこと言ってごめんね。
でも本当です。
2、3年後にものすごく大きな赤字決算があります。
それが終わりの合図です。
程なく大きめのリストラが来るので気をつけて。
それがやんだら、少しだけ間をおいて終わりがきます。
突然のインターネットミームからの始まり、大変失礼いたしました。安斎です。
私は2010年~2019年頃まで、いわゆるレガシー系の製造業で約10年間働いていたのですが、それからIT業界に移って新規事業企画の責任者になりました。現在は、マーケティング/PR系の会社を経営しながら、副業として執筆業を続けています。
日本の製造業に、もう未来はないだろうな。
ずっと前から薄々そう思っていたからこそ、メーカーからITへと移って来たわけですが、最近ある話を聞いて「これもう本当に手遅れっぽいな」と感じたので、それについて書きます。
日本政府が突きつけた「製造業の終焉」
数ヵ月前に経済産業省が発表した「製造業を巡る現状と課題今後の政策の方向性」というレポートを読みましたか?
たぶん、日系のメーカーで働いていても大半の人は読んでいないと思います。ある意味で、その危機感の無さこそが、まさに日系老舗製造業が終わっている理由とも言えます。
大手メーカーが株価最高値を更新とか、過去最高益を記録とか、そういうことじゃないんですよ。「直近で儲かっているから大丈夫」という考えはレベルが低すぎます。マジで何も知らないんだな… って話です。
上記の政府レポートは全141ページにわたる特級呪物のような資料で、日系メーカーの人たちには色々と耳の痛いことが、まるで呪いのように連なっています。
「中期経営計画」という旧時代的・固定観念的な枠組みが足を引っ張り、変化の速いグローバルビジネスにまったく付いていけない
伝統や社是などを重んじるばかりに不採算部門の整理ができず、今後成長が見込めない既存事業になぜか大半のリソースを配分している
日本にしか存在しない謎の部署「経営企画部」は実態として役に立たず、組織の意思決定を阻害する要因になってしまっている
日本企業の経理財務部/人事部はバックオフィス的な機能しか持たない単なる事務職に留まり、本来重要であるはずのFP&A、HRBPなどの機能が極めて弱い
世界経済視点で見ると、日本の製造業は典型的な「技術で勝って、ビジネスで負ける」デジタル敗戦の傾向が続いており、近年のDX推進も9割は意味の薄いことをやっている
いやいや、この資料長すぎるよ! もうちょっと簡潔にまとめろよ!! とは思うものの、その中身は、極めて正しいことが書いてあります。
(私が言ってるんじゃないですよ。経済産業省が言ってるんです、全部)
その中でも一番恐ろしいと思ったのが、次の事実です。
たぶん、製造業の中にいる人さえほとんどは気が付いていない「メーカーの闇」です。
ここから先は
サポートいただいたお金で「餃子とビール」を購入させていただき、今後の執筆活動に役立てたいと思います。安斎に一杯おごりたい方は、ぜひサポートをお願いいたします。