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秋風切って。
久し振りにscrapboxを覗きに行って、過去の日記を見直す。そう、去年の秋。私は岡崎公園によく通っていた。あの場所が大好きだった。友人らと大学で会うことも少なくなり、かといって街に出て飲み歩くのも気が引ける。更にバイトもフェードアウト的な形で出勤数も減らしており… というような状態であった時期。必然的に一人の時間が多くなる。
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そんな不慣れな孤独なる日々を埋めてくれたのが岡崎公園だった。愛すべき場所での愛すべき時間。知らない子供と遊び、知らない人の犬と戯れ、知らないご老人の話を聞き、本を読み、文を書き、音楽を聴いた。芸術に触れ、季節を捉え、風を、太陽を感じた。
”採菊東籬下、悠然見南山” とはいかなくとも、私にとっては数少ない賛美すべき「場」である。少なくとも日常の煩わしさからは脱することができた。
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この麗しき日々。日記という形で残っていたいくつかをご紹介。
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日記9/19
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もうすっかり過ごしやすい気温になり、心地の良い秋風が吹く。秋風切って。アニメ「夏目友人帳」の三期第九話のエピソード名である。私の好きな回だ。今日は岡崎公園に来ているのだが、この賑わいを見てこの言葉が浮かんだ。
この岡崎という場所は平安神宮やコンサートホール、府立図書館に加えて二つの美術館。そしてこの広い公園やスペースがあるという、まさに文化の中心地である。いつも子供たちや観光客、学生やノマドワーカー、文字通り老若男女で賑わいを見せるこの空間だが、今日の盛り上がりは異常ともいえる。休日で人が多いことに加えて、屋台の出店、さらには何かのイベントだろうか、コスプレイヤーが大集合していたのだ。アニソンに合わせて踊っている集団もある。文化祭のようだ…
ここに集まる人らは、そのほとんどが何かしらの文化に惹かれて足を運んでいる。舞台、芸術、音楽、読書、歴史など。今日であればサブカルが多いのだろう。そんな人たちの集まる空間の温かさ。はっきりとは形容しがたいのだが。皆それぞれが好きな文化を求めて集まり、それぞれが楽しむ。これこそ文化の祭典ではないのか。祭典の静かな、しかしながら力強いその気は秋風をも切る。
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日記9/25
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今日も岡崎へ。夕方の風はもう肌寒く感じる。使えなくなっていたバイクが復活してからはここによく足を運んでいる。この場所で時間を過ごすときは、いつもロームシアター併設のパークプラザ三階にある共有スペースで読書や卒論の準備を閉館時間の17時まで行い、そこから一階のスタバのテラス席で続きをする。今日は三階の共有スペースでKYOTO Experimentがミーティングを行っており、そちらに少し耳を傾けながら、更にはデーゲームの阪神巨人戦も確認しながらといった形であったので、作業の捗りは悪かった。
KYOTO Experiment が行っていたミーティングは、おそらく10月より開催される「京都国際舞台芸術祭」についてのものだろう。なんでも私はこのイベントに短期インターン、もしくはボランティアとして参加しようとしていたゆえ、大まかな日程は覚えている。他でもないその日程が合わず参加を見送ったのだ…
しかしながら今日のミーティングを聞いていて無理にでも参加しておけばよかったと後悔。見た限り参加メンバーらは普段から芸術に関わっているであろう社会人が中心、加えてリモートで話をしていたプレゼンターの多くは外国人。いろんなことを知れただろうし、何よりも彼らと会話をするのが楽しそうだなと…
次に同じような機会があれば、自分の中で優先順位を上げて検討しようと感じました。
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日記10/1
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10月最初の朝は素晴らしい目覚めだった。起床時間は6時半。眠気がほとんどといっていいほどない。乾燥で喉が渇いていたので冷蔵庫に足を運ぶ。ここで緑茶ではなくヤクルトをチョイス。何を思ったのか寝起きの私は3本も口に運ぶ(美味しいもんな…)。程なくして激しい振動が腹部を襲う。何度もトイレに駆け込み、落ち着いたころには8時半。乳酸菌との激闘に神経を使い果たした私は、ベッドに横たわったまま12時過ぎまで気を失っていた。副交感神経恐るべし。端的に言うと早起きしたのに二度寝してしまったのだ。連敗中のスワローズの呪いか…
秋学期に入ってからは学校にいくことが多かったが、今日は岡崎へ。岡崎には野球場もあり、本日練習を行っていた部活の後輩らの姿を覗けるかなと思ったがそれは間に合わなかった。代わりにまだ帰っていなかった後輩らに新作フラペチーノを集られる始末。お金無いんやて...
ロームシアター付近では何やら催し物が。聴きなれない音楽に合わせて着物の女性とコンテンポラリーダンサー?が、それぞれ京舞?とコンテンポラリーダンス?をしていた(?しかない)。よくわからないが、よくわからないからこそ目が離せなかった。
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日記10/8
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昼過ぎから岡崎へ。昨夜は自炊をした。まだまだ料理が残っているので明日の夜までは食べるものに困らなそう。スーパーで買うべきものは酒のみというわけだ。
話は変わるが10月に入ったということで、今年の「ニュイ・ブランシュ KYOTO」を観に行こうかと思い調べてみたところ、10月1日に開催済みであった… 前に行ったのは一回生の時。こてこての現代アートに困惑したのを覚えている。それから三年間色んなもの触れた今の状態ならば十分に楽しめると思っていたのだが… 無念。
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以上四日間が岡崎公園で書いた日記たち。日記っていいな。懐かしいってほど昔ではないけども。自身の成長を実感できる。因みに下の画像は三回生時、ちょうどコロナ禍に突入したくらいのときのもの(秋関係ねえ)。
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この当時はまだオンライン飲み会だったり、時短しながらも営業していたバイト先での勤務だったり、独り暮らしの近隣仲間と飯に行ったり。カレンダーを見返しても何やら慌ただしい。
でも。自分には今の生活があっていると心の底から思う。人付き合いは程々に。自分のペースで。そんな道を照らしてくれたのは、もしかするとここ、岡崎公園での日々だったのかもしれない。
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