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Candidate ExperienceとEmployee Experienceは繋がって一つのサイクルとなるというお話

働き方改革だと政府主導で日本の就労概念が少しづつ変わる中、未だ大きな変化を見られないまでも、そこには確実にウネリが生まれつつあるなと感じます。
長く働き過ぎなんじゃないか、働くオフィスは本当に必要なのか、終身雇用は終わりを告げたのではないか、いよいよ「個」の時代が来るのではないか、様々な疑問が国民の頭に浮かんだだけでも、日本国は大きな一歩を前進しているような気さえしています。

大きな個人の節目でもありましたので、最近考えている事を備忘録的に以下まとめてみました。

Candidate Experience

これからの採用の世界では「Candidate Experience」が非常に大事な時代になります。
Candidate Experienceとは、Customer Experienceと似た概念であり、同社の選考を受ける事によって何かしらの意欲向上に繋げる。そのために候補者との一つ一つのタッチポイントで価値提供をしていこうという考え方だと捉えています。
この概念が非常に大事になる背景としては、勿論、圧倒的な人材不足が前提としてあるのですが、それ以外にも

・人材の循環頻度の高まり
・転職に対して積極的ではないが、オープンであるPassive Candidateの増加
・オンライン上での情報に対する懐疑心が高まり、口コミ(経験)の信用力が高まる事
・あらゆるデータが可視化出来るようになり、KPIが前に倒れていく事

などがあるように思います。

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CXを各ファネルに分けると上記のような図となり、それぞれの候補者とのタッチポイントをまとめています。
それぞれのタッチポイントで考えるべきは、「候補者が期待している事は何か?」であり、それに基づいてやるべき事が異なり、それぞれが繋がりを生んで付加価値をつけるよう設計する必要が出てきます。
例えば認知から検討・興味へと移り変わる中で、採用ブランディングとして「製品力が凄い」「社内の雰囲気が良い」「健全な財務体質」などと歌ったとしても、対象とする候補者に対して響いていなければ、それは自己満足のブランディングとなり、ファネルが繋がりません。

また、CXの向上を掲げているにも関わらず、選考プロセスに時間をかけたり、選考結果を伝え漏れていたりなどは本末転倒となります。
合否に関わらず、面接を受けて良かったと帰ってもらう事がとても大切となります。一度選考に漏れた候補者でも数年後に再度候補者にもなりえる、また同社の選考口コミを上手に拡散してくれる可能性もありえます。
あるいは、面接官の目線合わせや、1次→2次と選考が進んでいく中でのフィードバックの襷が繋がれている事も候補者にとっては大きな意味を持ちます。今までのような慇懃無礼な選考プロセスよりも、きちんとCX設計をした方が採用のみでなくビジネス全体の向上に繋がるのは火を見るより明らかです。
設計されたCXがきちんと運用されているかどうか、NPSサーベイを入社後に実施し、見直しの機会を設ける事で品質向上に繋げる事も出来ます。

Employee Experience

CXの後に、EXが待ち受けています。
従業員ライフサイクルに基づいたファネルを使用すると分かりやすくなります。昨今の時代では、EXはきちんと出口まで見据えた上でプロセス設計する必要があると考えています。
CXとEXは必ず繋がる必要があり、ぶつ切りになってしまうと折角の価値が低減してしまいます。
入社は入り口で、退職は出口ですらない、そういったEX設計が必要な時代に突入しているように思います。

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これからはCXとEXは今まで以上に密接な関係を持っていくと感じています。
入社を入口とせず、退職を出口としないとなると、TalentとCompanyの関係は長期化することになります。
長い長い道のりの中で、例えば「評価制度を改定する」「福利厚生を改善する」といった各エレメントごとの取組は、一時的な刺激剤しにしか過ぎず、長期的な組織の改善には大きく寄与しなくなります

Talent Life CycleとBlock Chain

冒頭でも申し上げた通り情報がオープンになっていくと、
Candidateが得られる情報と、Employeeが得られる情報に大きな違いが無くなっていきます。Employeeでありながら、どういった採用をしているのか、どんな打ち出し方をしているのか知る事が出来ますし、逆も然りです。
また、そういった情報に信憑性をもたらすのが人に帰属する経験となっていきます。

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CXとEXが従業員ライフサイクル上で綺麗に繋がっていくと、例えばCXの認知がEXのりテンションに大きな影響をもたらしたり、EXの育成がCXの興味喚起を助ける事になるなど、各エレメントがファネルごとの順番ではなく、全てと繋がって一つの形となる。形としてはブロックチェーンのようにTalent Journeyが構成されていくのが理想的だなと感じてます。

採用広報やブランディング、リクルートマーケティング、エンゲージメントサーベイなど流行ワードはたくさんありますが、一気通貫して全体設計をしないと本質的な効果は得にくい。
そして、全体設計を支えるのはやはりCulture & Valueなのだと、最近はそんな事ばかり考えています。

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