私は事業企画という仕事をしているので、事業計画を作るのはもちろん、実績管理もしています。
KPIという形で目標との差異を確認していく、ということを毎月繰り返しています。

問題は、このKPI管理というやつです。基本的にはうまくいかないときに今後どうやって挽回するか、という話をします。
しかし、挽回策に至る前に、「何が起こっているのか」を知るまでにものすごく時間が掛かっています。

様々な理由がありますが、一番感じるのは「情報の通り道が一本道である」ということです。

例えば経費実績を知りたい。
まず経理が実績データを更新。
事業企画がそれをダウンロード。
ダウンロードしたデータにACCESSで部署別を付ける。
それをExcelで部署別に集計。
それをメールで工場総務に送信。
工場総務がライン別にExcelを分割。
ライン班長にメールで送信。
ここまででようやく情報が現場に届きました。

しかし、現場で起こっていることはこの逆ルートを通ってきます。
気が遠くなる。

問題なのは、経理のデータが現場に届くまで、何一つ付加価値が増えてないということ。何のアクションも取られていません。ただただ事実を渡しただけ。

さらに問題なのは、この途中工程で作業している担当者が、自分の仕事に疑問を持たずに、データを渡すこと自体を付加価値だと思っているということです。

怖いのはここです。
仕事の価値を考えず、改善を考えなくなる。

でも、これは担当者の責任なのでしょうか。
決してそんなことはありません。責任は管理者にあります。
管理者が、部下の時間の価値を軽視し、部下が時間をかけていることに甘えているのが問題です。

確かに、決められた作業を繰り返すことが快適と思う人もいます。そういう人のケアも難しいのは事実です。成長したいと思っている人ばかりでは無いのは私も部下を見て感じます。
しかし、業務に付加価値がなく、担当者の学びや成長が期待できないならば、そこに時間と費用をかけてはいけません。

ただ、情報が一本道では、どうしてもバケツリレーをする人が出ます
この一本道を解消しなければ何も解決しません。

一本道を面に変えるのがDXだと思っています。過去、海外子会社に対して一本道(私から全世界に連絡していたので厳密には放射状でしょうか)でやりとりしていたものを、グループウェアに変えた結果、全世界が同じ空間に入ることができました。

まず、管理者が担当者のしていることに向き合って、本当に付加価値があるか確認する。そして価値が無ければ思い切って省くことを考える。そしてその時はDXを活用する。DXは一本道を空間に変えてくれます。そして、DXを活用する時は担当者に「その業務の本来の価値」を考えさせる

まだまだ減らせること、見直すことがいっぱいある。私は管理職として、その様なメッセージを出して考えさせて、景色を変えていきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?